矢野経済研究所は8月3日、製造業のITビジネス動向をまとめたレポート「2009年 製造業向けITビジネス -金融危機後のユーザ動向とSIerの戦略-」を発行。その一部を公開した。
それによると、製造業における2008年度のIT投資額は前年度比-2.2%、2009年度の同投資額の見込みは-3.8%となっている。
特に、部品を組み立てて製品を製造する加工組立製造業(機械、家電、電気・電子機器、自動車、自動車部品など)では減少幅が大きく、原材料を加工して製品を生産するプロセス製造業(食品、飲料、化学薬品、医薬品、鉄鋼、非鉄金属、紙パルプ、石油、素材など)が2008年度+1.4%、2009年度(見込み)-2.2%だったのに対し、2008年度で-4.7%、2009年度(見込み)は-5.0%となっている。なお、2010年度については、加工組立製造業が+1.0%、プロセス製造業が6.1%となる見通し。
また、製造業の有望なIT投資分野としては「グリーンIT」と「コスト削減」が挙げられている。とりわけグリーンITについては各社の関心が高く、「今後3年間で新たに取り組む意向がある」と答えた企業の割合は、加工組立製造業で54.8%、プロセス製造業で48.0%に達している。
製造業各社のグリーンITにおける取り組み予定項目については、1位が「オフィスでの省電力デバイス導入」、2位が「ビジネスプロセスの見直し」、3位が「グリーンデータセンターの利用」となっている。