7月に開催され、多くのWebデザイナーや、インタラクティブデザイナーが参加したマイクロソフトのWebクリエイターズイベント「ReMIX Tokyo 09」。このイベントにて、『バスキュールが制作した「SilverlightのWindows 7ユーザ コミュニティサイト+CGM ブログパーツ」の開発秘話』と題した講演を行ったWebサイト制作会社・バスキュールのWebデザイナー・澤井宏和氏とエンジニアの和田教寧氏にSilverlightについて話を訊いた。

Silverlightでアプリ開発者のコンテンツ制作も可能に

――マイクロソフトのユーザー参加型・オンラインコミュニティプログラム「I Run Windows 7」を制作するまで、Silverlightを使ったことがなかったとのことですが、このイベントに参加した経緯と参加者に伝えたかった事を教えて下さい。

バスキュールのWebデザイナー澤井宏和氏

澤井宏和氏(以下、澤井)「弊社では、これまでQ&Aサービス『MSN相談箱』のリニューアルキャンペーンサイトを制作したりと、マイクロソフト様と一緒に仕事をしてきました。これまで、Silverlightを使ったことはなかったのですが、Webサイトのデザイン力などを評価していただき、お声掛けしていただきました。今回、初めてSilverlightを使ってWebサイトを制作し、それがどういう形でコンテンツとして成立したかという流れを参加者に見て欲しかったです。個人的意見ではありますが、比較的、開発会社さんはもっとロジカルなところで突き詰めて、綺麗な設計図を書くと思うのですが、我々のコンテンツはビジュアルや表現が先行するので、そういった部分で他の会社と少し違った切り口でプレゼンできたと思います」

――徐々にSilverlightで制作したWebサイトが増えてきていますが、その点についてどう思いますか?

バスキュールのエンジニア・和田教寧氏

和田教寧氏(以下、和田)「それだけSilverlightでの制作にメリットを感じているからではないでしょうか。Silverlightは動画のWMVファイルをそのまま配信することができるので、それがやはり強みだと思います」

澤井「Windowsはユーザーの数がずば抜けて多いですからね。ビデオの再生能力に関してはSilverlightの方がFlashよりやや強いのはないかなと思います」

和田「しかし、結局SilverlightにしてもFlashにしても、何かを作る道具なので、使い慣れた方法や、作らなければいけない環境に合わせて使うようになると思います」

――Silverlightによって、今後Webコンテンツの制作に変化は出るでしょうか?

澤井「アプリケーション開発者が、コンテンツレベルの制作もできるようになってくると思います。今まで以上に幅広い考えをもった方がこの業界に入ってこれるようになると思います」 。

――SilverlightでのWebコンテンツ制作に興味がある人に一言お願いします。

和田「個人的には、色々な言語や知識を増やしていきたいという想いがあったので、Silverlightに関しても、新しい技術的なものを得ることができ、いい経験になりました。今後Flashの仕事が減って、Silverlightの仕事が増えていくことも考えられるので、Silverlightを知っておいた方が良くなる場合もあるかもしれませんね」

――ありがとうございました。

撮影:糠野伸