OKIデータは30日、中国の大連理工大学(遼寧省・大連市)と、オントロジー工学をベースとしたユビキタスプリンティング分野について共同研究することで合意し、同大学内に共同研究室を設立したと発表した。オントロジー工学とは、人工知能の分野で研究され、セマンティックウェブ(次世代検索方式)などへの応用が期待されているという技術。
両者はWi-Fiオフィス環境におけるプリンタユーザの利便性を高めるためのプリンタ自動接続システムを研究開発し、2011年末までにPCとプリンタ間の相互位置認識と自動接続、およびジェネリック・プリント・ユーザインターフェイスの実現を目指すとしている。
共同開発を行うのは、APC(Automatic Printer Connector)と呼ばれるプリンタ自動接続システムで、プリンタ利用者のPCで稼動するクライアントソフトとサーバシステムで構成される。セキュリティ条件が合えば、利用者に最も近いプリンタを検出して環境設定を自動的に実行し、そのプリンタを利用できるようにするという。これにより、プリンタ利用者はAPCを起動するだけで、最も近くにあるプリンタを簡単に利用できるようになるとのこと。
大連理工大学は1949年に創立、1960年に全国重点大学に指定された中国の理工系大学でもトップレベルの大学。同大学の電子与信息工程学院ではユビキタスコンピューティングの研究が進めてられており、中国でも有数の研究レベルにあるという。