みなさん、今のエアコンの設定温度は何度ですか? みんなの平均温度設定は26.63度ナウ(記事執筆時点)のようです。『@eacon : Twitterでエアコン設定温度共有! (超ベータ版)』(以下、@eacon)は、Twitterのアカウント「eacon」宛に設定温度をつぶやくと、それを集計し視覚化するというマッシュアップだ。開発者のゆーすけべーさんにメールで話を伺った。

7月26日にリリース。現在(28日)のフォロワー数は113、つぶやきは580

Twitterは敷居の低い「プラットフォーム」

このサービスを開発したゆーすけべーさんは、アプリケーション開発の仕事の傍ら、個人で様々なマッシュアップサイトやWebサービスを開発・運用している。

@eaconは、友人とエアコンの設定温度が同じだったことに親近感が湧いたゆーすけべーさんが、「エアコンの温度共有だけでも面白いかも!」と思ったことをきっかけに開発された。みんなの設定温度を知ることで「もしかして省エネに貢献できるのでは」との思いもあったという。

ゆーすけべーさんは以前にも"ヌイた(謎)記録が共有できる"「nuita4!」を開発している。これはTwitterで読んだ本やマンガを記録できる「読んだ4!」(サイボウズラボの秋元氏が開発)の登場がきっかけになっているそうだ。

これらはTwitterの仕組みをいわば"プラットフォーム"にしているという特徴がある。ゆーすけべーさんはその利点をいくつか挙げてくれた。

  • 多くの人がTwitterを使っている(さらに広がりだしている)
  • 特定のユーザーに向けてつぶやくことが非常に簡単
  • ちょっとした情報を投稿するなら、サービスを作ってアカウントを発行するより、Twitterのユーザー宛につぶやく方が敷居が低い
  • 投稿者のフォロワーがそれを見ることによる伝播作用がある
  • サービス用のアカウント(今回なら「eacon」)がつぶやくことで、フォロワーに継続的にサービスの情報を提供できる

今回に限らず他のWebアプリ開発でも「上記の点を意識すると面白いかと思います」というが、確かにエアコンの温度を記録するためにアカウントを取ったり管理画面にログインしたりする気にはなれない。そう考えると、ちょっとした発言がシステム的に価値ある情報になるという、Twitterの新しい面白さが見えてくる。

つぶやきを集計 → 視覚化する仕組み

@eaconでは、投稿されたつぶやきをTwitter APIを使って数分おきに取得し、集計。投稿したユーザーごとに最新の温度設定(またはオフ)がデータベースに保存されており、それをGoogle Chart APIを利用してチャートにしている。この他、タイムラインやマップにもGoogleのAPIが使用されている。システムはPerlで開発。Twitter APIのインタフェースにはPerlのライブラリ等を集めたアーカイブ「CPAN」のモジュール「Net::Twitter」を使い、「素早く実装」したという。

投稿されたつぶやきは数分ごとに集計しているため、グラフの値は「ほぼリアルタイムに近い」

「@eacon map」では、ユーザーのプロフィールから「ロケーション」の文字列を取得し、緯度経度に変換してマッピング

今日まで3日ほど運営してみてマップやタイムラインを見るうちに「場所や時間による設定温度の比較はなかなか面白いとわかってきた」そうで、今後は天気と照らし合わせたいという。さらにエアコンと連動して(!)自動的に温度を共有したり、Twitterをリモコン代わりにする、という発想もあるとのこと。

ちなみに、実際に多くのユーザーの投稿を目にしたゆーすけべーさんの率直な感想は、「みんな設定温度たけーーーよ! ってか持ってない人もたくさんいるのね」。「エアコンつけて布団に入って昼寝するのが好きなので、これをみてちょっと罪悪感が湧きました(笑)」と、反省の様子だ。

ゆーすけべーさんは現在、今見られているTVのチャンネルを集計する「teletter」を開発中。基本的な仕組みは@eaconと同じだが、同じ番組を見ていることで「コミュニケーション寄りになる」と考えている。視聴率のような「tweets率」で"今アツい"番組がわかったり、自分の視聴履歴もわかるサービスになる予定。来週の始めにはリリースされるようだ。