NTTコミュニケーションズ(以下NTT Com)、NTTデータ、NTTの3社は、共同でSaaS事業者向けサービス基盤を開発し、NTT ComとNTTデータが今後事業展開していくと発表した。

3社は昨年の9月に、次世代ネットワーク(NGN)等を活用してSaaSビジネスを支援する「SaaS over NGN」構想の一環として、NTT Comの「BizCITY for SaaS Provider」の機能群と、アプリケーション連携を強みとするNTTデータの「VANADIS SaaS Platform 」の機能群を連携させる機能を開発すること表明していた

今回の事業展開の発表は、この開発が終了したことを受けてもの。具体的には、以下の6つの機能を開発した。

認証基盤機能(多要素認証機能、シングルサインオン機能、ID管理機能) NTT Comが開発した多要素認証機能とNTTデータが開発したシングルサインオン機能・ID管理機能とを組み合わせ、NTT情報流通プラットフォーム研究所が開発したSAML技術を活用した認証基盤機能
SaaSポータル機能 NTTデータが開発したSaaSポータル機能。エンドユーザに対して、SaaSアプリケーションを販売・決済するためのポータルサイトを実現する
料金回収代行機能 NTT ComのVPNサービスの料金請求に、SaaSアプリケーションの利用料金を重畳し、NTT Comが料金回収を代行する機能
マルチペイメント/クレジット決済機能 全国の金融機関や収納機関、クレジット会社と接続された決済ネットワーク機能
ネットワークゲートウェイ SaaS事業者のサービスをNTT Comのネットワークサービス(e-VLAN、Arcstar IP-VPN、Group-VPNなど)、またはインターネットと接続する機能
Webシステム構築基盤 NTTデータグループで開発した、Intra-mart、TeraSolunaなど、Webシステム構築に必要なアプリケーションサーバーやフレームワーク、業務コンポーネント、アプリケーションをパッケージ化したもの

とくに認証基盤は共通基盤のキーとなる機能で、ID/パスワード、ICカード、NGNの回線認証など、複数を組み合わせて利用可能で、他の認証についてもプラグインとして取り込むことができるという。

SaaSポータル機能では、検索、サービスの購入、購入状況の把握、お知らせ機能などを提供する。

NTT Comは、これらの機能のうち「認証プラットフォーム機能」を「サーバーホスティング」に、「ネットワークゲートウェイ」「料金回収代行」などの機能をSaaS事業社に提供するSaaS基盤事業(PaaS事業)「BizCITY for SaaS Provider」に追加し、8月より受付を開始するほか、 他事業者のSaaS基盤との相互接続も行っていく。

料金は、1ユーザーあたり100円-数百円で提供する予定で、当面は9社程度に提供を開始し、20社への導入を目指し、100億円程度の売り上げを目標にしていくという。

一方NTTデータでは、同社が運営するデータセンターで提供するSaaSサービスの基盤として利用し、Bizplat、Biz∫、MaDoREなどの自社アプリの提供を10月を目途に開始するほか、ユーザー企業内のSaaS基盤の構築を支援するSIサービスを提供する。

また、年度内を目標に、他のSaaS事業者への提供も行っていく予定だ。

同社も3年後に100億円程度を売り上げを目標に活動していくという。

NTT ComとNTTデータの事業展開