IDC Japanは、2009年5月13日-17日、国内企業のCIOを対象に「IT投資動向調査」を実施し、363社から回答を得てその結果を発表した。
それによれば、2009年度のIT投資予算に関して、2008年度に対し「減少する」と回答した企業(43.3%)は、「増加する」と回答した企業(10.5%)を大きく上回り、以前IT投資に対する抑制傾向が強いという。
しかし、2009年2月に実施した前回調査に比べ、「減少する」が19ポイント減り、「増加する」が4.1ポイント増えていることから、IDC Japanでは、今後の国内IT市場動向は改善に向かう兆候が見られるとしている。業種別では、サービス業で大きな改善が見られるという。
ただ、IDC Japanは「IT市場は世界経済危機の悪影響から徐々に改善している兆しが見られるが、ユーザー企業のIT投資予算が回復したわけではない。ユーザー企業は、この機に採用した低コストの新テクノロジー(例:サーバー仮想化/統合化、SaaSなど)を今後も継続利用し、可能な限り支出を抑えていく」と予測し、ITベンダーは、世界経済危機時に行動したユーザー企業の動向の把握を行い、今後のソリューション開発に生かしていくことが重要となる」と分析している。