ブロケード コミュニケーションズ システムズ(以下ブロケード)は、国内の事業戦略と取り組みついて説明する、プレス向けのラウンドテーブルを開催した。

同社の2009年の前期の売上げはワールドワイドで前期比約33%増の9億3790万ドルを記録し、SAN市場においても、IP製品市場でも堅調な伸びを示している。

ブロケードのワールドワイドでの売上推移

代表取締役社長 青葉雅和氏

代表取締役社長の青葉雅和氏は、IBMにOEM発表を行った5月以降、マーケットのブロケードに対する見方に変化があらわれ、サポートなどすべてのサービスにおける品質対する期待がこれまで以上に高くなっていると語る。

また、昨年買収したFoundry Networksについては、今年の5月には社内組織の統一も完了し、2010年以降、両社製品を初めて統合したBrocade DCXおよびBrocade NetIron MLX向けCEE(Converged Enhanced Ethernet)ブレードを発売していくという。

今後は、旧Foundry Networksの開発・製造プロセスはブロケードの方式に変更するとのことで、現在大きな開きがある標準化への対応を解消していく予定だという。また、両社のパートナーについても、今後は相互に取扱い製品を拡大していくということだ。

青葉社長は、今後データセンター、サービスプロバイダ、企業および学校という3つのセグメントに注力して、販売を行っていくと語る。

データセンター分野では、仮想化環境に向けたソリューションをパートナーとともに提供していくほか、サービスプロバイダに対しては、専門チームを作り、運用を含めた対応を進めていくという。

また、企業および学校については、自社ですべてのソリューションを提供できないため、セキュリティやワイヤレス分野など、パートナーとともに統合ソリューションを提供していくつもりだという。

ブロケードが注力する3つのセグメント

青葉氏はデータセンターについて「企業内のデータセンターから外部のデータセンターへと移行していく中では、サーバ、ストレージなど、マルチベンダーのハードウェアを統合していく必要がある。その場合、ネットワークから見たサーバを標準化し、APIをきちんと公開し、ベンダーといっしょにテスト・検証していくことが重要だ。それができるのは(さまざまなベンダーと協業している)ブロケード以外にない」と述べた。

また、仮想化においては、サーバ、ストレージ、ネットワークを1つのコンネントとして提供していくことが重要になると語った。

ブロケードの主要ベンダー

青葉社長は、3年後にはSAN市場におけるリーダーシップを維持・拡大し、IPネットワーク市場においてはNo2のポジションを確立したいとの目標を掲げる。

そしてそのために、ブロケード認定技術者は現在の5倍に拡大するほか、パートナー支援策を実施し、最終リセラーを現在の2倍に、また、販売サポート体制の強化し、人員を2倍に増やす予定だという。

日本法人においては販売強化に向け今後投資を行い、積極的に採用を行うほか、ラボや貸出機を用意していく予定だという。

ただ、直接的なパートナーを増やす予定はなく、当面はこれまで付き合いのあるパートナーに扱ってもらえるビジネスソリューションを拡充できる体制をまずは整えるという。