富士通の半導体子会社である富士通マイクロエレクトロニクス(FML)は7月27日、USB 3.0規格対応のUSB 3.0-シリアルATA(SATA)ブリッジLSI「MB86C30シリーズ」の第一弾として、「MB86C30A」を開発、即日サンプル出荷を開始したことを発表した。
同製品が採用しているUSB 3.0規格は、2008年11月に仕様策定されたもので、USB 2.0の10倍以上高速となる最大5Gbpsの転送速度を実現したほか、プロトコルの効率化、パワーマネジメント手法の改良により低消費電力化を実現したものとなっている。
同製品シリーズを用いることにより、パソコン本体との高速通信が可能となり、3.5インチのHDDで比較した場合、HDの映像コピー時間を約USB 2.0規格では約12分かかっていたところを、約3分30秒から4分に短縮することができるようになる。
また、同製品には暗号化エンジンを搭載。これにより、外付けHDDなどにデータを暗号化して保存することができる。これにより、外部データの盗難や紛失の際の個人情報などの流失や廃棄されるHDDからの情報漏えいの危険から、ソフトウェアを用いた暗号化を行った場合に比べ、パソコン本体のCPUに負荷をかけることなく、よりデータのセキュリティレベルを高めることが可能となる。
暗号化方式は「AES」を採用。それに対応した暗号化・復号エンジンを搭載していることから、暗号化ソフトウェアや暗号化・復号ICが不要となっている。
なお、価格は非公開としているものの、同社では月間100万個の販売を目指すとしている。