日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)、アイ・ビー・エムビジネスコンサルティング サービス(以下 IBCS)、SAPジャパンの3社は、IBMおよびIBCSが提供するコンサルティングとサービスを体系化した「短期成果型オファリング」に、コスト削減と売上拡大の実現を支援するためのコンサルティングとサービスを新たに加え、共同で提供することを発表した。

今回発表したサービスは、コスト削減の優先順位を明確にしたい顧客に対し、現状の業務パフォーマンスを業界内外の優れた企業と比較し、改革すべき領域を明確化するためのプログラム「SAPベンチマーキング」と、IBMとIBCSが提供してきた「SPI(緊急業務改革手法)」を組み合わせたもの。

SPIでは、コンポーネント・ビジネス・モデリングにより業務を可視化し、その中でコスト削減に効果が見込まれる業務を抽出する。抽出された業務に対し、SAPが有する世界約2,000件のベンチマーキング情報と、IBMが蓄積してきた1,400件以上の事例から効果が実証されたサービスを当てはめる。これにより、直近の利益を確保するために確実に行わなければならないアクションを約2週間で策定する。

今回、短期成果型オファリングに追加されたサービスは、主に「在庫最適化」、「グローバル・キャッシュ・マネジメント」、「購買支出削減」に対応するものの3種だ。

在庫最適化では、IBMのワトソン研究所によって開発された最適化アルゴリズムと「SAP Supply Chain Management」を組み合わせ、販売履歴データや在庫データを基に在庫の適正度合を診断・評価する。最適な在庫レベルを設定し、10%~20%の在庫の削減を目指す。

グローバル・キャッシュ・マネジメントでは、「SAP ERP」から得られる決済情報や資金情報と、外部銀行の情報を組み合わせて資金の可視化を行い、銀行手数料や有利子負債の削減などのグループ会社の資金の最適化と資金業務の効率化により最大20%のコスト削減を目指す。

購買支出削減では、購買情報を一元管理し、購買戦略の策定・内部統制の徹底を行い、初年度年間取引額の10%~20%のコスト削減を目指す。

短期間で売上拡大を実現するサービスでは、事前に設定した管理項目・基準値を基に、異常が起きたらアラームを稼働させ、リアルタイムでの問題解決を促す「ビジネス・マネジメント・コックピット」、社内の顧客とのリレーションを可視化、組織としての共通顧客へのアプローチによる売上機会を2週間で診断して金額換算する「クロスブランド・マーケティング」などを提供していく。

今回の協業で、コンサルティングサービスはIBCSが行い、システム導入はIBCSと日本IBMが協業で行う。SAPジャパンは、IBCSと共同でSAPベンチマーキングに関するサービス、SAP製品の提供・関連する技術支援サービスを提供する。