日本ヒューレット・パッカードは7月23日、中堅・中小規模企業向けiSCSI接続のストレージ製品ラインアップ「HP LeftHand P4000 SAN ソリューション」の販売を開始したと発表した。同ラインアップには同社が昨年買収した米LeftHand Networksの技術が採用されている。

HP LeftHand P4000 SAN ソリューション

日本ヒューレット・パッカード エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ストレージワークスビジネス本部 本部長 富岡徹郎氏

エンタープライズストレージ・サーバ事業統括ストレージワークスビジネス本部本部長を務める富岡徹郎氏は、「当社は外付けディスクトスレージの分野において世界、日本の双方でトップのシェアを獲得している。現在、FC-SANが主流だが、調査会社のリサーチではiSCSIが2008年から2013年にかけて年率53%で成長するという結果が出ている。当社としては、iSCSI-SAN市場のリーダーとなりたい」と語った。

同氏は、LeftHand Networksとの合併により、特に価格の面でシナジー効果が出ていると語った。LeftHand Networksの製品をアジアで提供するのは今回初となる。

同ラインアップの特徴は、スケールアウト型のストレージである点とストレージの運用管理に必要な機能をすべて標準で装備している点だ。

Hewlett-Packard エンタープライズストレージ・サーバ ストレージワークスディビジョン LeftHand Networks エバンジェリスト ジョン・スパイアーズ氏

LeftHand Networks出身のHewlett-Packard エンタープライズストレージ・サーバ ストレージワークスディビジョン LeftHand Networks エバンジェリストを務めるジョン・スパイアーズ氏は、「スケールアウト型のストレージは従来のスケールアップ型のストレージよりもすぐれている」と語った。「コントローラヘッドを搭載するスケールアップ型ストレージはディスクを拡張する際に計画停止が必要だが、スケールアウト型ストレージストレージはオンラインで行える」

以下が、同ラインアップが標準で備える5つの機能である。

  • クラスタリング機能
  • ネットワークRAID(筐体間冗長)機能
  • シン・プロビジョニング機能
  • リモートコピー機能
  • スナップショット機能

エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ストレージワークスビジネス本部 プロダクトマーケティング部 瀧澤一彦氏は、「シン・プロビジョニング機能、リモートコピー機能、スナップショット機能は、他の製品であれば、有償のオプション機能であることが多い」と説明。

また、VMwareに対応したモデルもある。HP BladeSystemの各ノードに直接接続されたストレージをVMware ESX Server環境向け共有ストレージとして完全連携でき、1つのSANとして管理可能だ。

VMware環境対応を実現するソフトウェア「HP LeftHand P4000 Virtual SAN Appliance」

以下、同ラインアップの各モデルの価格である。

製品名 最小構成価格(税別) 出荷開始日
HP LeftHand P4300 SATA Starter SAN(SATAドライブ搭載、最小容量12TB、2ノード) 483万円~ 8月上旬
HP LeftHand P4300 SAS Starter SAN(SASドライブ搭載、最小容量4.8TB、2ノード) 504万円~ 8月上旬
HP LeftHand P4500 Virtualization SAN(VMware環境対応、SASドライブ搭載、最小容量10.8TB、2ノード) 997万5,000円~ 8月上旬
HP LeftHand P4500 Multi Site SAN(VMware環境対応、マルチサイト向け、SASドライブ搭載、最小容量21.6TB、4ノード) 1,890万円~ 8月上旬
HP LeftHand P4000 Virtual SAN Appliance(VMware環境対応ソフトウェア) 81万9,000万円 8月上旬