Texas Instruments(TI)の日本法人である日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は7月23日、フルスピードUSB2.0を搭載したマイクロコントローラ「MSP430F55xx」を発表した。同マイコンはF551xとF552xシリーズに分かれており、いずれもサンプル出荷を開始している。F552xの量産出荷は2009年11月を予定しており、1万9,800円(販売推奨価格)の「MSP-FET430U80USB」と1万4,805円(販売推奨価格)のFlashエミュレーションツール「MSP-FET430UIF」と完全互換性を確保している。
主に医療や産業分野、ヘルスケア、フィットネス、また各種コンシューマ・エレクトロニクスなどの、コスト要求の厳しい分野をはじめとした幅広いアプリケーションのポータブル機器向けとしており、200μA/MHzのアクティブモード、2.5μAのスタンバイモードなど5つのローパワーモードを用意。またスタンバイモードからアクティブモードへの5μs以内の立ち上がりが可能なほか、内蔵メモリ容量は8KBから128KBまで用意されている。
さらに、200μA以下で動作する10/12ビットのA/Dコンバータを含むアナログ機能と幅広いアプリケーションを想定した低消費電力サブマイクロアンプ・コンパレータを搭載しているほか、ハードウェア乗算器、4基の16ビットタイマ、UARTやSPI、I2Cといった最大4チャネルのシリアル伝送などのペリフェラルを搭載している。
加えて、5Vを直接供給可能なLDOの統合により、ボードの低コスト化と省スペース化が実現可能なほか、パッケージとしても48ピン(QFP、QFN)と64ピン(QFN)、80ピン(QFP、BGA)の小型パッケージを用意している。
なお、同社では無償のVendor ID・Product ID(VID/PID)共有プログラムを提供しており、これにより開発にかかる時間とコストを節約できるほか、統合開発環境「MSP430」Code Composer EssentialとFETツールを用いることで、開発に必要なすべてのハードウェアを揃えることが可能となっている。