米Microsoftの動画投稿サイト「MSN Soapbox」が8月31日をもってサービス終了を迎える。米Ars Technicaなど複数のメディアが報じている。YouTube対抗として2006年末に登場した同サービスだったが、利用率でYouTubeに及ばないだけでなく、MSN Videoを含むMicrosoftの動画配信サービス全体からみても5%未満程度と利用が低迷していたという。移り変わりの激しい業界において、Soapboxもまた歴史の荒波へひっそりと消えていくことになる。
同ニュースはもともと6月中旬にCNET Newsが米MicrosoftバイスプレジデントのErik Jorgensen氏へのインタビューの中で報じていたもので、この時点ではSoapboxのアーカイブをMSN Videoへと移管し、数カ月内にサイトを閉鎖するという情報のみだった。その後、TechFlashなどが相次いでJorgensen氏からの閉鎖スケジュールの情報を得たことで詳細が明らかになった。
GoogleがYouTubeを買収して以降、MicrosoftにおけるSoapboxの位置付けは同社発の動画サイトとして、UGC (User-Generated Content)中心のプラットフォームを築くことが目標にあった。2006年末の限定ローンチから2007年2月のパブリックベータ開始を経て、Windows Live IDさえあれば利用できるという手軽さをアピールしていたものの、結局YouTubeの対抗馬となることはなかった。Wikipediaなどによれば、両者の最大の違いは著作権違反のコンテンツをどの程度許容するかに大きな差があったという。Soapboxが厳格に同種のコンテンツを禁止していたのに対し、YouTubeでは継続してサイトにコンテンツが残っているケースが見受けられたというのだ。
Soapboxの不調とは逆に、主にコンテンツ事業者がビデオクリップを提供するMSN Videoは一定の支持を獲得している。YouTubeのUGC的な盛り上がりはなくとも、この仕組みを活かして今後のビジネスを組み立てていくのがMicrosoftの課題となる。