NTTは7月22日、超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム(以下、URCF)と協力して、奄美大島で観測された皆既日食の模様を、HD映像と4K超高精細(以下、4K)全天映像でライブ配信する実証実験に成功したことを発表した。

同日10時40分から11時11分にわたり、大阪市のABCホール、大阪市立科学館、京都府のけいはんなプラザ、茨城県のつくばエキスポセンターの計4ヵ所の上映会場において、奄美大島で観測された皆既日食のHD映像と4K全天映像のライブ中継が行われた。

魚眼レンズを装着した4Kカメラで撮影した全天映像は、、「4K映像IPストリーミングシステム」で圧縮して、ABCホール、けいはんなプラザ、つくばエキスポセンターに同時配信し、ドームシアターで上映した。また、映像素材交換拠点から大阪市立科学館までは、4K全天映像を「4K非圧縮映像伝送装置i-Visto Gateway XG-1」と「120 GHz帯ミリ波伝送システム」を用いて非圧縮で無線伝送し、大阪市立科学館のプラネタリウムで上映した。

フルHD解像度の皆既日食映像は、「スケーラブル映像圧縮リアルタイム処理ソフトウェア」を用いて、ABCホール、けいはんなプラザ、つくばエキスポセンターに同時配信し、HDディスプレイでの上映とワンセグ配信を行った。また、映像素材交換拠点から大阪市立科学館までは、4K全天映像と同様に非圧縮で無線伝送し、HDディスプレイで上映した。

4Kドームシアターで上映中の写真

同社は今後、今回活用した技術について、商用ネットワーク上での実用性の検証を行い、ネットワーク環境や映像再生環境に適した多様な映像配信が可能な次世代映像コンテンツ流通技術の確立を目指す。