米Microsoftは7月20日(現地時間)、現在米カリフォルニア州サンノゼで開催されているOSCON 2009においてLinux向けデバイスドライバーのコードをGPLv2で公開したことを発表した。複数のメディアが報じている。これはLinux Device Driver for Virtualizationと呼ばれるもので、Windows Server 2008やHyper-V上でLinuxを動作させるのに必要な機能セットを提供する。
この発表はLinux Driver Projectのリードで米NovellフェローのGreg Kroah-Hartman氏がOSCONで行った。2万2000行のソースコードの提供をMicrosoftから受けたという。これらのコードはLinuxのPublic Tree Releaseにすぐに取り込まれ、Kernel 2.6.30.1のStable Releaseに含まれることになるという。同コードはカーネルに含まれるため、すべてのディストリビューションがカバーされる。
今回の対応は、多くの開発者やベンダーにとってメリットになるととともに、Microsoftとオープンソース・コミュニティ、特にLinux開発者の距離を近付けるものとなる。Linuxのソースコードにおける知的財産(IP)侵害は、Windowsなど既存の資産との接続や互換性を維持する部分でしばしば問題となるが、Microsoft側からの歩み寄りはこうした両者の溝を埋めるきっかけとなるかもしれない。Microsoftにとっても、Hyper-VならびにWindows Serverの利用拡大へとつながり、VMwareや他の仮想化技術を利用するベンダーらとの競合において優位に働くだろう。