東芝モバイルディスプレイは7月15日、収益体質の改善に向けた事業構造改革の取り組みの一環として、姫路地区にある2拠点の再編を発表した。具体的には、姫路工場の石川工場への集約、ならびに同社関係会社であるティー・エフ・ピー・ディー(TFPD)の生産停止を予定する。

現在同社は、世界規模でのLCD需要の後退と価格下落という事業環境に対応するため、a-Si製品を露新とした不採算生産ラインを停止し、低温poly-Si製品への経営資源の集中など抜本的な構造改革を実施している。今回の姫路工場の機能の石川工場移転による生産拠点の集約により、事業環境の変化に対応する意思決定の迅速化、効率的な経営体制の確立が図られるとともに、基板サイズが小さく採算が困難なa-Si生産ラインの閉鎖を併せることで、固定費の圧縮による利益造出が可能になるとしている。

姫路工場の従業員数は約400名で、モジュール工程の生産、部材・製品の物流管理、品質管理などの機能を担っている。同モジュール生産ラインは、2010年1月をめどに石川工場へ移転する予定だが、その前に、製造技術や品質管理などの間接部門を、2009年10月より順次、石川工場などの自社の他拠点に移転する計画としており、これらにより姫路工場から約310名が石川工場および深谷工場に異動する予定としている。

また、TFPDは、車載向けのa-Si製品を中心に、小型ガラス基板サイズ(360mm×465mm)でのアレイ・セル工程の生産を行ってきが、2009年12月末をめどに生産を停止する計画としている。

今回の拠点再編により、同社は、石川工場を中心として、アレイ・セル・モジュール一貫工程による高品質生産ラインを構築、間接部門の集中を進めるとしており、これにより、効率的な経営体制の構築を実現し、利益造出体質へ転換し、2009年度の最終利益での黒字化を目指すとしている。

なお、同社の他拠点への異動を予定している従業員以外について、同社では東芝グループ会社を中心とした再配置を進める計画としている。