ヴイエムウェアのストラテジック アライアンスマネージャの名倉丈雄氏

VMwareの日本法人であるヴイエムウェアは7月14日、サーバ仮想化環境の管理性向上に向けた管理ツール3品種「VMware vCenter Chargeback 1.0」「VMware vCenter Lab Manager 4.0」「VMware vCenter AppSpeed 1.0」を発表した。ChargebackとLab Manager 4.0はすでに出荷を開始、価格はそれぞれ9万3,000円と18万6,000円(いずれもCPU1ソケットの市場予想価格)となっている。また、AppSpeedは日本語環境での確認を進めており、対応が確認でき次第提供を行っていく予定としている。

今回の3種類の管理ツールは、いずれも「完全仮想化への移行パスの第2段階として、仮想マシンを100~1,000台程度運用する企業をターゲットとしており、パフォーマンス管理やキャパシティプランニングをどうするのか、また、運用管理や構成管理の問題にどう取り組むのかを支援するためのもの」(ヴイエムウェアのストラテジック アライアンスマネージャの名倉丈雄氏)とする。

仮想化の現状は第2段階の"拡張"段階に入っているという

コスト算出ツール

Chargeback 1.0は、、仮想化環境の使用状況に応じてコストを配分し、レポートを生成することで、企業全体での請求の所在を明確化することができるコスト管理ツールであり、「課金方法の明確化」(同)を図ったもの。

Chargebackの特長とレポートの概要

「仮想マシンの数が増え、各事業部ごとに用いられるようになると、課金体系なども見直す必要が出てくるため、どの事業部で仮想マシンをどの程度使用しているのかを調べ、事業部ごとに課金できる体制にした」(同)という。具体的にコスト算出モデルは、"固定費""割り当てに基づくコスト算出""使用量に基づくコスト算出"の3種類が用意されており、モデル間の混在、適合が可能となっている。

開発からサポートまで一元管理

Lab Manager 4.0は、開発管理ツールがバージョンアップしたもの。本バージョンでは、「VMware Stage Manager」との統合により、アプリケーションの開発環境から本番環境への展開、リリース管理の簡素化、デモおよびトレーニングなどに単一ソリューションで対応が可能となった。

Lab Manager 4.0の特長と新機能

また、ESXおよびESXiの両方をサポートしたことで、IT管理者へ社内クラウドリソース配備の従来より多くの選択肢を提供することが可能となった。

さらに、vNetwork Distributed Switch(DVS)への対応により次世代ネットワークフェンシング機能として、独立しているネットワーク構成を複数のホストに適用することことが可能となった。

サービスレベルの一定化が可能に

AppSpeedは、仮想化システムにおけるエンドユーザ向けアプリケーションのパフォーマンスをリアルタイムで表示し、SLAで監視することで、サービスレベルの一定化を図ることが可能となるツール。

AppSpeedの特長と概要

具体的にはシステムのプロファイルをAppSpeedにて自動検出およびマッピングし、スループットなどのパフォーマンスを監視、定義しておいたサービスレベルと比較して原因を分析し、その原因に対する問題の修正を実行するというもの。「これにより、IT部門がアプリケーションサービスレベルの保証をすることができるようになる」(同)とする。

ただし、日本語(英語以外の言語)が入っている場合、パケット処理の問題もあり、そうした環境下での動作保証がまだ終えていないことから、それらを終え次第、速やかに提供していきたいとしており、「これら3つのツールは、仮想化ならではのメリットを感じてもらうためには必要なツール。今後もこうしたツールの強化などを行い、カスタマに100%のメリットを感じてもらえるように努力していくつもりだ」(同)とした。