人類初の有人月面着陸に成功したアポロ11号の打ち上げから40年、その後、宇宙開発はどこまで進んだのだろうか? 米マサチューセッツ州ボストンにあるJohn F. Kennedy Presidential Library & Museumはアポロ11号ミッション成功から40周年を記念して、当時の打ち上げの様子をライブデモでリアルタイムに体感できる「We Choose The Moon」を立ち上げた。現在はプレローンチとして資料と解説用のサイトとして公開されており、アポロ11号打ち上げからちょうど40年となる7月16日午前9時32分(米東海岸時間: EDT、日本時間で16日午後10時32分)の90分前から正式オープンとしてカウントダウンがスタートする。

カウントダウン中の「We Choose The Moon」

この40周年記念サイトの名称は、当時ソビエト連邦に後塵を拝していた米国の宇宙計画を陣頭指揮し、その最大の目標を設定したジョン・F・ケネディ米元大統領が1962年に行った有名なスピーチ「We choose to go to the moon in this decade. (われわれはこの10年で月へと行くことにした)」から来ている。国家の威信を賭けた宇宙計画は数々の犠牲を払いながらも進展を続け、アポロ11号は1969年7月16日に米フロリダ州ケープカナベラルにあるケネディ宇宙センターから無事に飛び立ち、その4日後に月面へと着陸、Neil Armstrong船長による人類の第一歩を月に刻んだ。その後アポロ計画は17号まで継続され、故障による途中帰還を余儀なくされたアポロ13号を除けばすべて月面着陸を実現している。その後、宇宙計画はスカイラブや再利用可能で巨大なペイロードに対応できるスペースシャトル、さらには恒久的な宇宙ステーション計画にまで発展し、現在に至っている。

だが、米国の宇宙計画の中核を担ってきたスペースシャトルは2010年の夏で終わりを迎えることが決定されている。6月中での打ち上げが予定されていたエンデバー号は機材損傷や落雷などのトラブルにより延期が繰り返され、7月13日午後6時51分(米東海岸時間: EDT)に5回目のチャレンジに挑むことになる。数々のトラブルや予算面から議論を呼び続けていた米国の宇宙計画も、間もなく節目を迎えることになる。「アポロの月面着陸は作り物だった」というTV番組が話題になったりもする昨今だが、いまいちど40年前の軌跡と感動に触れてみるのもいいだろう。

ケネディ宇宙センターの敷地内に展示されたアポロ14号指令棟。アポロが登場するまでの宇宙開発史のビデオを見学した後に実物が閲覧できる。その巨大さに驚くだろう

宇宙センター内の工場で組み立てが行われている国際宇宙ステーションのモジュール。ここには日本の実験等などの設備も持ち込まれている

宇宙センター内に展示されたスペースシャトルの模型。この実際の勇姿を拝めるのも来年までだ