6月25日、東京・竹橋パレスサイドビルにて、毎日コミュニケーションズが主催する特別セミナー『ジャーナルITサミット』が開催された。今回のセミナーの最後のセッションとなる第四部は、ロムウィンの細川良治氏がPCのシンクライアント化による情報漏えい対策をテーマに説明を行った。シンクライアントにはいくつかの種類が存在するが、同社が提供するのは「ROM化方式」と呼ばれるものだ。

ファイルサーバが1台あれば始められる

ロムウィン 取締役 営業部部長 細川良治氏

シンクライアントと言うと、規模も金額も大きな投資案件ととらえられがちで、これが普及の阻害要因のひとつとなっているのも事実。細川氏は「ROM化クライアントは既存のPC資産を生かせるとともに、ファイルサーバが1台あれば始めることができる」という導入のハードルの低さを説明。

「既存のPCのハードディスクを丸ごとROM化するため、Officeアプリケーションなど、今まで使っていた環境がそのまま利用できる」というメリットを強調した。

細川氏によると、2007年から提供を開始している同社のROM化シンクライアントソリューションは、すでに約1万クライアントの導入実績があるという。具体的な応用例としては「保険のセールス用モバイルPC」「シンクライアント対応モバイルレンタルPC」「TV電話に対応したコールセンターのPC」「業務用のPCをそのままシンクライアント化」「画面転送型との組み合わせ」といったものがあるとのことで、プリンタやUSBメモリなど、PC同様に周辺機器が使える点や、モバイル環境でも使えるROM化クライアントのメリットを説明した。

ROM化は4ステップで行える

細川氏は同セッションでWindows PCのROM化する方法をムービーで紹介。手順は「ライセンスキーによりライセンスを付与」「ウイルス対策ソフトなどの指定を行う」「ROM化のインストール(同社のT4ソフト)」「再起動でROM化が完了」というように、基本的には4ステップで作業が完了する。

またROM化の解除は、ROM化解除キーが実装されたUSBメモリ、または管理コンソール経由という2通りの方法が提供されており、導入・管理の容易さに関する説明も行われた。

なお、細川氏はROM化クライアントから「Microsoft Office Live Workspace」を利用するデモも披露。クラウドサービスとの親和性の高さもアピールした。なお、同社のROM化クライアント T4はOSの最新バージョンへの早期対応もポイントになっており、今秋に発売が開始される予定のWindows 7についても、12月には対応版をリリース予定とのことだ。