Analog Devices(ADI)の日本法人であるアナログ・デバイセズは7月8日、マルチボルテージ(多電圧)監視回路IC製品群を拡張、負電圧、過電圧、不足電圧状態を監視するための4チャネル電圧監視回路IC「ADM2914」「ADM12914」ならびにマイクロプロセッサ監視回路IC「ADM6339」を発表した。3製品ともにすでにサンプル出荷を開始しており、この内、ADM2914と同6339は量産出荷も開始、同12914も7月中の量産開始を予定している。単価は参考価格ながら、1,000個受注時で1.79ドルから、となっている。

ADM12914は、過電圧と不足電圧(OV/UV)状態を、競合製品の1.5倍の精度(全温度範囲で±0.8%)での検出が可能。医用超音波機器や遠隔通信機器、その他のアプリケーションにおいて、電源が許容範囲から外れることを防ぐため、システム動作の改善が可能だ。また、1V未満で動作し、過電圧状態による致命的なシステム故障を引き起こす電源システムの問題を解決することが可能である。また、ADM2914とADM12914には入力電源シャント・レギュレータが内蔵されており、通信インフラストラクチャ機器における12V電源や、ハイブリッド車に用いられるリチウムイオンバッテリなどの高電圧電源でも動作可能となっている。

一方、ADM6339は、同クラスの競合製品に比べて2倍の精度(全温度範囲で±0.8%)を提供し、最大3個の正電圧電源と1個の負電圧電源を監視する。内部には、あらかじめトリミングされた不足電圧スレッショールド・オプションが組み込まれており、1.8V、2.5V、3V、3.3V、5V、-5V電源を監視することが可能。加えて設計のフレキシビリティを拡張するための3個の可調スレッショールド・オプションも提供されている。

なお、ADM12914とADM6339は、同社のシグナルチェーンの一部として、「ADP1740」「ADP1741」「ADP2102」「ADP2105」「ADP2106」「ADP2107」「ADP2108」など同社のポイント・オブ・ロード・レギュレータファミリと一緒に使用することが可能である。