アクセンチュアと日本オラクルは7月8日、日本オラクルの製品をベースとしたソリューション提供に関して協業関係を強化し、共同で「アクセンチュア オラクル・イノベーション・センター」を開設することを発表した。

アクセンチュア オラクル・イノベーション・センターは、「オラクルソリューションの戦略立案からシステム導入/運用までを支援する拠点」と位置づけられている。東京都港区の日本オラクル本社内に設置される予定で、陣容は未確定だが、オラクルの資格を保有するアクセンチュア社員三百数十名の中から中核を担える人物が派遣される計画だ。

アクセンチュア オラクル・イノベーション・センター センター長に就任した大薗博明氏

センター長に就任した、アクセンチュア システムインテグレーション&テクノロジー本部 Oracleビジネスインテグレーショングループ統括 エグゼクティブパートナーの大薗博明氏は、同センターの狙いついて、「機能検証などを行うテクノロジーセンターとしての役割だけでなく、デモセンター、ソリューションアセットセンター、プロポーザルサポートセンター、プロジェクトサポートセンターとしても機能させ、日本市場におけるオラクルビジネスの拡大、オラクルソリューション提案力/デリバリー力の強化、他国のアクセンチュア オラクル・イノベーション・センターが保有するグローバルアセットの日本展開を進めていく」と説明した。

アクセンチュア オラクル・イノベーション・センターの狙い

設立初年度の具体的な注力テーマとしては、「Enterprise Sales & Operation Planning」と「IFRS(International Financial Reporting Standards: 国際財務報告)」が挙げられている。

前者では、「Oracle E-Business Suite」、「Oracle Demantra」、「Oracle Hyperion Planning」、「Oralce Fusion Middleware」などを活用して経営管理とサプライチェーンのアラインメントを実施。変化に柔軟に対応できる業務モデルの構築、収益を最大化するサプライチェーンの実現に努める。

後者では、IFRSの診断キットやレポーティングツールの提供を行っていくほか、「Oracle E-Business Suite」や「Oracle Hyperion Finacial Management」を活用して財務の見える化も進めていく。アクセンチュアのFPM(Finance & Performance Management: 財務・経営管理)チームとも連携し、日本市場向けに最適なソリューションの開発に励んでいくという。

初年度に注力するテーマ

なお、AccentureとOracleの協業は海外でも積極的に進められており、同名のセンターが米国で2006年8月に、英国で2008年1月に開設されている。日本はそれに次ぐ3カ国目で、来週にはトルコのイスタンブールにもオープンする予定だという。

左から、アクセンチュア 代表取締役副社長 兼 システムインテグレーション&テクノロジー本部 統括本部長の武田安正氏、アクセンチュア オラクル・イノベーション・センター センター長を務める大薗博明氏、日本オラクル 副社長執行役員 アライアンス統括本部長の志賀徹也氏