富士通は7月7日、タカネ電機と富士通の所有する「雰囲気分析装置」などに関する技術の開放特許・ノウハウを活用するための実施許諾契約を締結したことを発表した。

川崎市は知的財産戦略推進事業「知的財産交流会」を実施しているが、同会への参加をきっかけに、市内の中小企業の高い技術力と大企業のすぐれた開放特許のマッチングが実現している。今回の技術導入は同会の成果の第5号。

今回の契約の対象のライセンス技術は以下の3点。

  • 日本特許 特開2007-292676 「雰囲気分析装置及び雰囲気分析方法」
  • 日本特許 特開2004-47929 「分子汚染監視システム、保管搬送容器および分子汚染センサ」
  • センサー部およびコントローラ部の技術ノウハウ

基本となる技術であるQCM(Quartz Crystal Microbalance)は、水晶発振子の表面に物質が吸着すると発振周波数が変化することを利用したもの。1平方センチ当たり1ナノグラムの物質が吸着しただけで1ヘルツ変化するという高い検出効率を持っている。

同技術は元々は、LSI製造装置内の汚染度をリアルタイムかつ正確に検知・測定するために開発された技術。センサー部分は密閉容器等に容易に挿入できる構造であり、コントローラ部分も小型・軽量でパソコンに接続できる仕様となっている。