米Googleは7月7日 (現地時間)、Gmail、Google Calendar、Google Docs、Google Talkの"BETA"を外して正式版とすることを明らかにした。
Gmailが発表されたのは2004年4月。それから5年以上にわたって同サービスのロゴの下には小さくBETAがつけられてきた。これはアプリケーション開発における最終版への準備段階を意味するベータと異なり、常に改善または機能が追加されるWebアプリの特長を現すものとして使用されていた。一方で同社は2年前からGoogle Appsをビジネス向けに提供している。すでに世界規模で175万社以上から採用されており、今後さらに大規模なエンタープライス顧客を開拓する必要がある。そうした企業は信頼性を重視し、試用期間を思わせるベータ・タグを嫌う傾向が強い。そこでGoogleは、同社の開発姿勢を示すBETAの役割は充分に果たしたと判断し、今後はより多くのビジネス顧客へのリーチを優先してBETAを取り除くことにした。エンタープライズ向けだけではなく、コンシューマ向けも対象になる。
BETAが消えても、Googleの製品開発姿勢はこれまで同様だ。Googleは発表の中で「BETAの有無にかかわらず、今後もアプリケーションへの革新的な機能の追加と改善を継続していく」としている。なおBETAラベルを表示したいユーザーは、GmailではLabsに「Back to Beta」という以前のBETA付きロゴに戻す機能が用意されている。
Googleはビジネス向けGoogle Appsにおいて、電子メールのデリゲーションとリテンションをサポートするツールを提供することも発表した。前者は管理者による電子メールのスクリーニングと送信代行をサポートし、後者は各種産業特有の規定への対応を支援する。Premier版のドメインで、数週間をかけて順次提供開始していくという。また遠隔地へのデータのライブ・レプリケーション、同社のデータセンターにおけるビジネスユーザーのデータの取り扱い強化など、エンタープライズからの信頼獲得に努める。