STMicroelectronicsの日本法人STマイクロエレクトロニクスは、PoE(Power over Ethernet)仕様に準拠し、ESDを含む高電圧サージに対するサージ保護IC「PEP01-5841」を発表した。すでに提供を開始しており、SO-8パッケージを採用。単価は1万個購入時で約0.25ドルとなっている。

サージ保護IC「PEP01-5841」のパッケージイメージと使用イメージ

同製品は、PoE規格に準拠しており、規定された48V電源をイーサネットケーブルに送出するPoE対応イーサネットスイッチやハブなどの給電機器(PSE)で用いられることが想定されており、それらイーサネット・ネットワークに接続された装置のパワー系回路の設計簡素化が可能となる。

従来、イーサネット・ハブやスイッチのPoE電源回路は、最大100Vの過渡電圧に耐えられるよう設計されており、ESDやEOS(電気的オーバーストレス)などの高電圧なサージによる電源回路の破損を防止するために、追加の保護回路が必要とされていた。同製品は、最大4個のPoE出力に対する100Vのクランプ保護デバイスとフィルタ・コンデンサを集積しており、従来のサージを電圧121V以下(仕様で規定されている場合)にクランプするために使用するディスクリートが不要となる。このため、設計簡素化が可能となり、プリント基板サイズを最大で55%削減することが可能となる。

また、100VのPSEコントローラと互換性のあるクランプ電圧も搭載している。

なお、同製品のESD保護機能は、IEC 61000-4-2とMIL-STD-883 Method 3015などの規格に準拠している。