Red Hatは7月1日(現地時間)、同社が提供する企業向けLinuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux」の次期バージョン「Red Hat Enterprise Linux 5.4」のベータ版を公開した。ベータテストの期間は8月13日までとなっている。
今回のベータ版での最大の特徴はKVMハイパーバイザのフルサポートだ。KVMはIntel VTまたはAMD-Vといった64ビットCPUの仮想化機能を使って仮想マシンからCPUにアクセスする技術。従来、RHELでは仮想化技術としてXenが採用されてきており、RHEL 5.4βでももちろんフルサポートされているが、Red Hatは今回、次期メジャーリリースであるRHEL 6.xに向け、KVMを標準の仮想化環境として採用する姿勢をさらに明確化した形だ。ゲストOSとして旧バージョンのRHEL(3.xから5.xまで)、Windows XP/Windows Server 2003/Windows Server 2008といったWindowsファミリなどが、32ビット/64ビット問わず、モディフィケーションすることなく利用できる。
その他の主な新機能および改善点としては
- IBM Power SystemsのLPARが利用可能に
- SAPリソースエージェント
- ALSAオーディオインフラストラクチャ
- グラフィックドライバのアップグレード(i810/Intel/mga/ATI/nv)
- FUSEのフルサポート
など。なお、Linuxカーネルはkernel-2.6.18-155.el5を採用している。