米シマンテックは、グローバルで実施したディザスタリカバリ(DR:災害対策)に関する調査結果を公表した。
調査は、今年の5月から6月にかけて1650社に対して実施され、このうち日本からは50社が回答している。
それによれば、ITがビジネス上の重要な位置づけになっており、経営陣がDRに関与するケースが増えており、対策予算も上昇傾向にある。ただ、仮想化環境における災害対策にはまだ課題も多く、災害を想定したテストでは、4回に1回程度復旧に失敗しており、グローバルコンサルティングサービス リードプリンシパルコンサルタントの小林啓宣氏は、大きな問題だと指摘した。また同氏は、復旧までの目標時間がグローバルの4時間に対して日本の企業は5時間と長く、実際に復旧できる時間も6時間と目標値とかい離している点も改善が必要だと指摘した。
最も懸念している脅威・災害としては、コンピュータシステムエラーがトップで、ウイルスやハッカーなどの外部からのコンピュータに対する脅威、データ漏洩や消失が上位に挙げられている。日本は自然災害に対する懸念がグローバルに比べて高いのが特徴になっている。
DRに対する予算は増加傾向にあるが、小林氏は2010年ごろから横ばいになるのではと語った。金額的には、年間5000万-1億ドル、100万-2500万ドルくらいが多い。
DRの完全なシナリオのテストに関しては、3カ月-1年に1回というのが多く、毎月行うという企業も2割弱ある。ただし、テストで目標とする復旧ポイントまで回復できたケースはグローバルで70%となっており、4回に1回は失敗している計算になる。
失敗の原因としては、担当者が想定通り実施できなかった、プロセスが不適説だった、計画が古いものであることがわかったなど、準備不足の面もあるが、テクノロジーが想定通りに機能しなかったなど、根本的な問題もある。
仮想化環境における問題ではストレージの管理ツール不足、ストレージの容量不足など、容量とツールの問題が多い。