資源エネルギー庁は7月1日、、離島における次世代送配電ネットワークの構築を見据えた実証試験(マイクログリッド)の採択事業者を決定し、鹿児島と沖縄の10離島で実証実験を行うと発表した。採択事業者は九州電力と沖縄電力で、マイクログリッドシステムの実証設備に対して3分の2の補助が行われる。
環境問題への対応、離島の電源コスト低減を実現する手段として、太陽光発電や風力発電などの再生可能なエネルギーの大量導入が注目されているが、これらの電源は出力が不安定という課題を抱えている。これらの発電方式において電力の安定供給を確保するには、電圧上昇、余剰電力対策、周波数の調整力不足対策といった課題を克服していく必要がある。
こうした背景から、同庁では独立した系統となっている離島において、相当量の太陽光発電をはじめとする再生可能なエネルギーを導入するとともに、蓄電池などを活用した系統システムの制御を実証実験行うことで、太陽光発電の大量導入に必要な次世代送配電ネットワーク(スマートグリッド)構築に向けての課題を整理していくとしている。
実証実験地として、鹿児島県からは黒島、竹島、中之島、諏訪之瀬島、宝島、小宝島が、沖縄県からは宮古島、多良間島、北大東島、与那国島が選ばれている。