米XMOSは、同社のEvent-driven Processorの第2世代となる「XS1-L」シリーズを発表した。同シリーズは65nmプロセスを採用することで、量産時にコアあたり5ドル以下の価格になることを目標としており、低消費電力かつスケーラビリティを持つマルチコアソリューションとして、DSPと制御機能を含むシステムインタフェースを、組み込みソフトウェア開発者に提供するという。すでにサンプル出荷を開始している。また、デュアルコアの「XS1-L2」を2009年第3四半期中にサンプル出荷を開始する予定としている。
同製品は、必要があれば同社のチャネル接続技術「XMOS link」を用いて複数のデバイスを繋ぐことで、より大規模なシステムを構築可能である。
また、「XS1-L XCore」として400MIPSの性能を持つ32ビットプロセッサが内蔵されており、Sleep modeでは消費電力は500μW以下、スタンバイ状態は20mWで、稼動時のActive Powerは450μW/MHzを実現している。イベントドリブンアーキテクチャを採用したことにより、同社の開発キットを使ってプログラミングを行う場合、特に特殊なプログラムを用いる必要はなく、待機時には自動的にスタンバイ状態に入ることが可能だ。このため、立ち上がり頻度の少ないアプリケーションでは、既存の製品と比べ90%以上の省電力化が可能であるという。
サポートツールは、同社のWebサイトから無償で入手が可能。またXMOSのデバイスは高水準言語でプログラミングされるため、従来の「XS1-G」向けに記述したリファレンスデザインを、再コンパイルするだけでXS1-L向けに利用することが可能となる。さらに、XS1-L1をベースとした開発キット「XC-5」も供給可能状態となっている。
XS1-L1はすでにサンプル出荷を開始している10mm×10mmのLQFPパッケージと2009年7月よりサンプル出荷の開始を予定している14mm×14mmのTQFP128パッケージでの提供が予定されており、どちらも1万個あたりの価格は5ドル以下になるとしている。