エルピーダメモリは6月29日、同社の300mmウェハ対応Fabである「E300」の生産体制を、需給バランスの変動に対し、即座に柔軟な対応がとれる体制を目指し、「プロダクト別ライン体制」へと移行することを決定したことを明らかにした。実施は7月からを予定している。

エルピーダメモリの300mmウェハ対応工場「E300」の全景

従来、同工場では、工場全体を1つのラインとして管理・運営を行ってきた。しかし、同社では今後は、メモリ技術の進展とともに、製品や市場の動向により最適な工場運営手法も変わってくると予想。管理手法の見直しを行うことで、そうした動きに対応するという。

具体的には、工場の生産キャパシティを「モバイル向けライン」と「PC向けライン」に分けてそれぞれを組織化、独立のラインとみなして管理・運営を行っていく。

これにより、従来以上に製品ごとの採算性と事業責任が明確化されるほか、きめの細かい工場運営を実施することができるようになるという。主に、それぞれの製品分野に適した装置管理、歩留まり向上対策、各市場の特長を鑑みたたな卸し管理やボトルネック工程管理が実施される予定。

なお同社では、新体制への移行に伴い、PC向けラインの生産能力を10~20%ほど減産する可能性があるとしている。