東京ガスは6月25日、太陽熱を冷暖房・給湯に優先利用する「太陽熱利用システム」を同社熊谷支社に導入し、7月から運用を開始すると発表した。同社は、2010年度をめどに同システムの商品化と販売開始を目指す。

同システムは、太陽熱集熱器で集めた太陽熱を、夏場は太陽熱駆動吸収冷凍機で冷水に変換して冷房として利用し、冬場は暖房用熱交換器で温水に変換し暖房として利用する。合わせて、貯湯槽にためた給湯に使用する水の予熱にも利用する。また、 太陽熱が不足する場合は、空調にはガス吸収冷温水機で冷水・温水を作って冷暖房に利用するとともに、給湯には業務用潜熱回収型高効率給湯器「エコジョーズ」で貯湯槽の水を加熱して給湯する。

太陽熱利用システムの仕組み

熊谷支社における集熱面積は約72平方メートルで、ピーク時の集熱量は約47kWが見込まれる。従来の設備に比べ、一次エネルギー消費量を約32%、CO2排出量を約29% 削減する効果が期待できるという。

同システムが配置される熊谷市は、日本の最高気温記録(40.9℃)を持つ夏の暑さが非常に厳しい地域。それゆえ、同市では暑さを地域の資源として活用する取り組みが進められており、太陽熱の利用はCO2排出削減に関する市民・事業者・市の協働・連携による取り組みの重点の1つに位置づけられており、同市から支援・協力をもらっているとのこと。

熊谷支社屋上に設置された「太陽熱利用システム」