大日本印刷は6月26日、台湾Unimicron TechnologyとUnimicronの中国昆山工場内に、DNP独自のプリント基板製造技術である「B2it」を用いた高密度プリント基板製造ラインを新設したことを発表した。すでに稼働しており、5月下旬にはサンプル出荷を開始、本格的な量産稼動は7月から開始することを予定している。
携帯用デジタル機器の製造には薄型化・小型化の要望が強く、また、中国をはじめとするアジア地域で行われていることが多く、プリント基板メーカーは、顧客の工場に近い立地で、需要に迅速に応えていくことが求められていた。今回の新ライン設置は、こうした需要に対応するもので、これによりデジタル家電や通信機器装置などに使用されるプリント基板の出荷がこれまで以上に迅速に行うことが可能となった。
DNPのプリント基板であるB2itは、ビルドアッププリント基板の製造技術の1つで、他のビルドアッププリント基板の製造方法と比較して、基板の層間の接続位置を自由に構成できるほか、層間接続の形成にめっき処理プロセスがないため、廃液処理や廃液設備が不要となり環境負荷が低い。また、層間接続部の真上に部品を実装することができるなど、基板設計の自由度も高くなっている。
DNPでは、今後の需要に応じて同工場内に製造ラインを増設し、月産約1万m2の生産能力を目指し、事業の拡大を進め、2012年度に約180億円の売り上げを目指すほか、各国のプリント基板メーカーとのライセンス契約を進め、世界標準化を図っていく計画としている。