米Tektronixの日本法人である日本テクトロニクスは、アナログ信号、デジタル信号、シリアル信号を1台で観測し、解析することができるミクスドシグナルオシロスコープの新製品シリーズ「MSO3000シリーズ」を発表した。
同シリーズは、最大4つのアナログ・チャネルと16のデジタル・チャネルを備え、100MHz~500MHzの周波数帯域、5Mポイントのレコード長、2.5GS/sのサンプル・レートを備えており、5種類の製品が用意されている。
デジタル・チャネル部はオシロスコープのインタフェースを統合しており、操作性を向上させ、ミクスド・シグナルに関わる問題を解決を容易に行えるようにしている。またロジックの表示は、ロジック・ハイがグリーン、ロジック・ローがブルーと色分けされ、信号をスクロールしなくても、論理ステートがわかるように工夫されている。各ロジック信号はグループ化してラベルを付けられるため、セットアップ時間の短縮も可能だ。さらに、高速アクイジション「MagniVu」も付加されており、1万ポイントの波形を最高8.25GS/sのサンプル・レート(121.2ps分解能)で取り込むことが可能で、デジタル波形の測定を高い分解能でタイミング測定できるため、従来のMSOシリーズと比べて細いグリッチも取込むことができるようになっている。
また、設計デバッグの各ステップを効率よく進めるためのさまざまな機能が装備されており、毎秒5万波形の波形取込レートと輝度階調を持ったデジタル・フォスファ技術により、間欠的に発生する問題を検出できるほか、問題カ所が判明するとパラレル、シリアルのパケット内容を含むトリガ機能により、異常信号、グリッチにトリガできる。これは、あらゆる入力信号に対してトリガでき、すべてのアナログ信号、デジタル信号、シリアル信号の相関も自動的にとることが可能だ。
さらに、「Wave Inspector」により、特定のイベントをすべてのアナログ信号、デジタル信号、シリアル/パラレル信号から自動的に検索することが可能。検索したイベントすべてに自動的にマークを付け、マークしたポイントに1ボタンでジャンプできるため、イベント間移動をスムーズに行うことも可能だ。
このほか、29種類の自動測定機能、拡張波形演算機能も装備しており、シリアル・バス解析、パワー解析、HDTVビデオ・トリガなどのオプションも用意されている。
解析モジュールとして、電源回路の自動測定やHDTVビデオの解析に対応するオプションが用意されているほか、「NI LabVIEW SignalExpress Tektronix Edition」のベーシック・バージョンが無償で添付されており、プロフェッショナル・バージョンにアップグレードすることも可能。なお、プロフェッショナル・バージョンはSIGEXPTEとして発注することが可能である。
各オシロスコープの価格と性能は以下のとおり。
型名 | 周波数帯 | チャネル数 | 価格(税別) |
---|---|---|---|
MSO3012型 | 100MHz | アナログ2ch、デジタル16ch | 82万5,000円 |
MSO3014型 | 100MHz | アナログ4ch、デジタル16ch | 99万4,000円 |
MSO3032型 | 300MHz | アナログ2ch、デジタル16ch | 118万円 |
MSO3034型 | 300MHz | アナログ4ch、デジタル16ch | 144万円 |
MSO3054型 | 500MHz | アナログ4ch、デジタル16ch | 188万円 |