Freescale Semiconductorの日本法人であるフリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは6月25日、産業アプリケーションでイーサネット接続を実現するために、同社32ビットマイコン「ColdFire」の新製品「MCF51CN」を発表した。すでにサンプル出荷中で、量産は2009年第4四半期開始の予定。参考価格は1万個購入時で2.99ドルとしている。
同製品は、「ColdFire V1」コアをベースに、10/100BASE-Tイーサネットのメディア・アクセス・コントローラ(MAC)をオンチップで統合し、シリアル・インタフェースなど各種通信ペリフェラルを搭載している。これにより、シリアル to イーサネットの変換を実現、ネットワーク・ゲートウェイ・デバイスをはじめとして、ビルディング・コントロールや空調設備(HVAC)、セキュリティ/アクセス・コントロール、産業オートメーション、医療モニタリング、POSシステムなど、さまざまな産業アプリケーションに対するコントローラとして活用することが可能となっている。
また、無償で提供される同社のリアルタイムOS(RTOS)「MQX」およびTCP/IPソフトウェア・スタック、モジュール式の開発プラットフォームである「Tower System」と組み合わせることで、産業アプリケーション向けの包括的なイーサネット接続ソリューションを実現することができる。
MCF51CNは、低消費電力のスリープ・モードが用意されており、内部ペリフェラルをアイドル状態やシャットダウン状態にできる。また、消費電力を抑えるウェイト・モードでは、イーサネット・コントローラはRAMへのダイレクト・メモリ・アクセス(DMA)転送を継続することが可能で、転送完了時にマイコンコアのウェイクアップを行うため、電力消費を抑えることができる。
さらに、外部バス・インタフェースを備えており、メモリを拡張して、複数Webページのサポートやデータ収集、プログラマブルなロジックを通じたカスタム・インタフェースへの接続も可能である。
一方、同プラットフォームは、さまざまなマイコンとペリフェラル・ボードを自由に組み合わせて、各自の設計要求仕様に適した再構成可能な開発プラットフォームを構築することが可能。それぞれが互換性を持つ拡張ボードであることから、複数のアーキテクチャにまたがるハードウェアの再利用を促進することが可能で、、製品化時間の短縮が可能となるという。
また、オープンソースハードウェアであるため、同社のカスタマやパートナは、独自に追加モジュールを設計し、機能性やカスタマイズ性を拡張することが可能だ。
同プラットフォームは、2009年第3四半期以降、同社およびパートナ企業から違うColdFireを用いたマイコンやMPU、8ビットマイコン、デジタル・シグナル・コントローラなどへのサポートが追加されることが予定されている。