The Eclipse Foundationは24日(米国時間)、統合開発環境Eclipseの最新版となるEclipse Galileoをリリースした。これはバージョン番号で言うとEclipse 3.5にあたるもので、2008年6月にリリースされたEclipse Ganymede(Eclipse 3.4)からのアップデートである。Eclipseは毎年6月下旬に新バージョンのリリースを行っているが、今回のリリースでは2,400万行のコードと関連する33件のプロジェクトがアップデートされたとのことだ。
開発チームではGalileoのリリースにあたって特に「企業におけるEclipseの採用の拡大」、「モデリング技術の向上」、「EclipseRTランタイム技術の拡張」の3項目に重点をおいて開発を行ってきたという。その目標にしたがい、Galileoでは主に次のような機能の追加・拡張が行われた。
- Mac OS XのCocoa(32bit/64bit)をサポート
- メモリ分析ツール(MAT: Memory Analyzer)の追加
- PDT(PHP Development Tools)のアップデートに伴うPHP 5.3のサポート
- MylinへのWikiTextツールの追加
- XSLの編集/デバッグ機能のサポート
- BIRT(Business Intelligence Reporting Tools)のアップデート
- Eclipse Equinoxのアップデートに伴うOSGi v 4.2のドラフト仕様のサポート
- PDE(Plugin Development Environment)における、ターゲットとするプラットフォーム管理機能の拡張
- DSL(Domain Specific Languages)開発をサポートするフレームワーク「Xtext」の追加
- CDO(Connected Data Objects)の拡張
その他にもJavaソースコードエディタの機能向上やRAP(Rich Ajax Platform)のルック&フィールの改善など、各所に使い勝手を向上させるための改良が行われている。
統合開発環境としてのEclipseはさまざまなツール/プロジェクトの集合であり、用途別に必要なツールをまとめたパッケージとしてダウンロードすることができる。Galileoでは公式に9つのパッケージが用意されている。各パッケージの詳細はダウンロードサイトを参照のこと。
日本語を含む国際化対応はBabelプロジェクトによって行われており、日本語やフランス語、ドイツ語などの主要言語についてはまもなく利用できるようになる予定とのこと。他の言語についても対応が進められている。また、Babelによる対応を待たなくても日本語化プラグインである「Pleiades」を利用すれば日本語環境を構築することができる。