ネットレイティングスは25日、インターネット利用動向調査「NetView」の2009年5月データをまとめた。これによると、新型インフルエンザに関する情報を発信する厚生労働省や大阪府のサイトの利用者が増加していることが分かった。

新型インフルエンザは、4月下旬にメキシコや米国における集団感染に端を発し、世界的に感染が拡大。5月には日本国内での感染例も確認され、大阪府や兵庫県などでは中学・高校の休校措置が取られるなどの影響が出た。これを受け、政府や地方自治体のサイトやYahoo! JAPANなどのポータルサイトでは、新型インフルエンザの情報を集約したページが特設された。

ニールセン・オンライン(Nielsen Online)が提供するインターネット利用動向調査「NetView」の2009年5月データによると、これらのサイトのうち、厚生労働省、Yahoo!ヘルスケア、大阪府、兵庫県のサイトが5月に急激に利用者を伸ばしたことが分かった。

利用者数の推移(2009年3月~5月、家庭と職場からのアクセス)

さらにサイトの5月における人気ページランキングを見ると、新型インフルエンザに関するページが多く利用されたことも明らかとなった(以下の表参照、※が新型インフルエンザ関連ページ、「利用者比率」は各サイト利用者数を母体とした、当該URL利用者の割合)。

サイト名 順位 ページ内容 利用者数(千人) 利用者比率
厚生労働省
3,260千人
1 トップページ 738 23%
2 新型インフルエンザ最新情報(※) 577 18%
3 新型インフルエンザ対策関連情報(※) 532 16%
Yahoo!ヘルスケア
2,332千人
1 新型インフルエンザ(H1N1)対策関連情報(※) 854 37%
2 家庭の医学 病気の詳細 286 12%
3 トップページ 269 12%
大阪府
870千人
1 新型インフルエンザに関する情報(※) 404 46%
2 リンク集 府内市町村 216 25%
3 新型インフルエンザへの対応(5月25日~)について(※) 212 24%
兵庫県
407千人
1 新型インフルエンザ対策について(※) 296 73%
2 トップページ 85 21%
3 新型インフルエンザ対策計画の策定・相談窓口について(※) 22 5%

ネットレイティングス シニアアナリストの鈴木成典氏は、「今回の新型インフルエンザの流行では、中央省庁である厚生労働省の果たす情報発信の役割は大きく、多くの利用者を集めた。今回のような大規模な危機や非常事態発生時には、早期に正確な情報を周知させ、混乱回避や事態を沈静化させるため、各機関においてWebサイトを利用した早急で積極的な情報開示をすることが必須となる」と今後の危機対応におけるWebサイトの重要性を指摘している。