本企画では、仕事一筋のビジネスマンたちにとって"厄介なタスク"の1つである「出張時のお土産選び」を楽しいイベントへと変えてもらうべく、各地の名産品を知り尽くす方々にオススメのご当地土産を教示してもらっている。

今回からは、ディザスタリカバリ用のデータセンターが多い地域として知られる沖縄県がテーマ。まずは、みんなでおいしく分けあえるお菓子をご紹介していこう。

今回紹介をお願いしたのは、沖縄県のアンテナショップ「銀座わしたショップ」でマネージャーを務める藤原直樹氏。沖縄県らしい温かみのあるキャラクターで冗談を飛ばしまくる同氏に、沖縄県ならではの商品を紹介してもらった。

南大東島名産のラム酒がケーキに! - オキコ「沖縄ラム酒ケーキ」

南大東島で製造され、全国各地の酒屋に納品されているラム酒「COR COR AGRICOLE」。そのCOR COR AGRICOLEを使って、沖縄県のパンメーカーであるオキコが作ったケーキが「沖縄ラム酒ケーキ」だ。

沖縄ラム酒ケーキは、COR COR AGRICOLEの風味をしっかりと残したカステラ風のケーキ。甘いものが苦手な酒好きのおじさまも、きっと満足するに違いない逸品だ。しかも、日が経つにつれてまろやかな味に変化するため、お酒が苦手な人でも大丈夫。賞味期限が製造から70日間という、長期保存が可能な点もお土産としては魅力的である。

オキコの「沖縄ラム酒ケーキ」

ところで、COR COR AGRICOLEの製造元であるグレイスラムは、2004年3月に沖縄電力の社内ベンチャー制度により設立された会社である。設立者は金城祐子さんという女性で、「できる美人社長として沖縄女性の憧れ的な存在」(藤原氏)なのだとか。"爪の垢を煎じて飲ませる"という思いを込めて、あの上司に送ってみるのもよいかもしれない。

宮古島の雪塩がちんすこうを変えた - 南風堂「雪塩ちんすこう」

さきほどの沖縄ラム酒ケーキも沖縄県の名産品をベースにしたコラボレーション商品だったが、続いては、さらに沖縄県らしい組み合わせのコラボレーション商品である。

その名も「雪塩ちんすこう」。宮古島特産で、ミネラルの豊富さからギネスブックにも認定されているパラダイスプランの「雪塩」と、だれもが知っている沖縄銘菓「ちんすこう」の組み合わせである。

南風堂「雪塩ちんすこう」

パウダー状でミネラル豊富な雪塩が、ちんすこうの甘さをほどよく引き立たせ、上品で豊かな味わいに。2年連続でモンドセレクション金賞を受賞しており、藤原氏によると「地元ではにせものが出るくらい有名」だという。「これが出たときには、なんで今までなかったのかと思った」(藤原氏)とか。決して失敗することのない"鉄板"土産と言えそうだ。

言わずと知れた定番お菓子 - お菓子のポルシェ「紅いもタルト」

藤原氏が外せない定番商品として紹介したのが「紅いもタルト」である。

この商品については皆さんご存知のとおり。今さら説明するまでもないので、知らない方はそこら辺の沖縄旅行経験者を捕まえて聞いてもらうことにして、ここでは割愛……というわけにもいかないので、以下では同商品にまつわる小話を少しだけ紹介しておこう。

お菓子のポルシェ「紅いもタルト」

紅いもタルトの主原料で、商品名にもがっつり組み込まれている「紅いも」。これは沖縄県の特産品で、紅いもにつく害虫の蔓延を防ぐために本土へ持ち運ぶことが禁止されている。したがって、本土の人にとっては非常に貴重な食材だ。

ただし、以前は、紅いもを使った料理にこれといったものがなく、「天ぷらにして食べる程度だった」(藤原氏)という。これをなんとかして使えないかと腐心して生まれたのが紅いもタルトで、地元の人にとってはよくぞやってくれたというものらしい。なお、先ほどの雪塩ちんすこう同様、こちらの商品も2年連続でモンドセレクション金賞を受賞している。

ちなみに、紅いもタルトの製造元は、お菓子のポルシェという企業。独特なネーミングだが、「創業者がポルシェ好きだった」(藤原氏)ことからそういう名前になったそうである。決して、グルメリポーターの彦摩呂さんがそのように例えたわけではないのであしからず。

沖縄県民ならだれもが知っている商品 - 玉木製菓「味亀」

地元の人は皆知っているけど、ほかの地域の人は一切知らない――そんな類の製品が、北海道に続き、沖縄県にもあった。それが、玉木製菓の「かめせん」だ。

その形が亀の甲羅に似ていることから名づけられた「かめせん」。沖縄県では小さい頃からみんなが食べている非常にポピュラーなお菓子で、一度食べたらやみつきになるらしい。

玉木製菓「味亀」

ただし、藤原氏が勧めたのは、同じシリーズの甘辛醤油味である「味亀」。職場のお土産としても喜ばれる商品だが、「自分のお土産としてもう1つ購入し、空港で飛行機を待つ間にバリボリやってほしい」(藤原氏)ということだ。

腹が減っては軍は出来ぬ。社に帰ったら早速始まる軍に向けて、味亀で準備を整えておこう。