米国防長官のロバート・ゲイツ(Robert Gates)氏がサイバーセキュリティ専門の軍事部隊を設立したと、米Wall Street Journal紙が6月24日付けの記事で報じている。これはバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領政権の進めるコンピュータ・セキュリティを主要な国家防衛課題とする政策の一環となる。

ゲイツ氏は米国防総省(ペンタゴン)に宛てたメモの中で、キース・アレクサンダー(Keith Alexander)陸軍中将・国家安全保障局長(Director of the National Security Agency: DRNSA)を新設されるサイバーコマンド(Cyber Command)の長官として推薦する意向だと説明している。同部隊の長官のランクは四つ星となる。

近年、米国のコンピュータ・ネットワークは中国やロシアといった国々からの攻撃にさらされており、年々被害の深刻化が進んでいる。こうした経緯を受け、オバマ政権ではセキュリティ対策の集中化と格上げを進めており、新設されたサイバーコマンドはその中核となる。同部隊は国防総省の中でもコンピュータ・セキュリティや関連ミッションを担当する戦略部隊の1つとなり、2010年10月までに本格行動を開始するという。