TOP500 Supercomputer Sites」は6月23日(現地時間)、スーパーコンピュータ処理能力ランキングの最新版を公開した。

同ランキングは、世界中のスーパーコンピュータの中から性能の高いもの上位500をまとめたもの。Tennessee大学のJack Dongarra氏、米エネルギー省 Lawrence Berkeley国立研究所のErich Strohmaier氏/Horst Simon氏、独Mannheim大学のHans Meuer氏らが編纂し、毎年6月と11月に更新している。

6月23日に最新ランキングが発表されたTOP500のWebサイト

今回1位に輝いたのは、米Los Alamos国立研究所に設置された米エネルギー省国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)の米IBM製システム「Roadrunner」。性能は、2008年11月の結果と変わらず1.105ペタFLOPSだったが、それを超えるシステムが現れず、2008年6月以来3回連続の首位を獲得した。

また、2位も前回同様、米Oak Ridge国立研究所に設置された米Cray製システム「Jaguar」。こちらも前回と同じ1.059ペタFLOPSという結果だった。

TOP10の中では、3位、6位、9位、10位に新しいシステムがランクイン。3位の独Juelich総合研究機関(Forschungszentrum Juelich)の「JUGENE」(IBM製)が825.50テラFLOPS、10位の同じく独Juelich総合研究機関の「JUROPA」(仏Bull製)が274.80テラFLOPSという記録となった。3位、10位にドイツのシステムが入ったが、TOP10のそれ以外はすべて米国のシステムになっている。

日本勢の最高は、「地球シミュレータ」(NEC製)の22位。122.40テラFLOPSという性能を残している。続いて、JAXAで今年4月から運用が開始された富士通製新システムが28位に入っている。前回国内1位だった東京大学の「T2K Open Supercomputer (Todai Combined Cluster)」(日立製)は、27位から42位へと順位を下げている。

なお、TOP500のうち最も多くランクインしたベンダーは米HP。ただし、性能の合計ではIBMが上回っているという。

CPUはインテル製のものが最も多く、全体の79.8%にあたる399システム(前回比+20)で採用されている。続いて、IBM製が55システム(前回比-5)、AMD製が43システム(前回比-16)という結果になっている。