昭和電工は、同社の機能性高分子固体コンデンサ事業を村田製作所に譲渡することで合意、事業譲渡に関する契約を締結したことを明らかにした。事業譲渡は年内の終了を予定しており、譲渡実行日までに、同事業に関する技術・ノウハウや顧客の引継ぎなど、譲渡に向けた準備が進められるほか、2社は共同でマーケティング活動を行っていくという。
昭和電工の製品「SDK-CAP」は、独自技術により2000年に事業化した低ESR(Equivalent Series Resistance)と高耐熱性を特長とするチップコンデンサ。同社の小山事業所にて製造が行われてきた。
昭和電工では、今後、無機・金属の強みを有する化学会社としての特長を生かしリチウムイオン電池材料など環境・エネルギー分野に研究開発投資を集中していく方針としており、そこから外れる同事業の譲渡先を探していた。
一方の村田製作所は、コンデンサを主力とする受動部品やモジュール商品を中心に全世界の電子機器に販路を有し、積層セラミックコンデンサのラインナップ拡充を進めてきたほか、セラミックス以外のコンデンサ商品領域に対する事業戦略の検討も行ってきており、その結果として、昭和電工から同事業を譲り受けることを決定したという。
同事業譲受により、昭和電工の技術を用いて生産した機能性高分子コンデンサを、村田製作所の顧客ネットワークを活用して拡売していくこととなる。
なお、村田製作所では、従来の積層セラミックコンデンサ商品群に、昭和電工の機能性高分子コンデンサを加えることで、全世界の顧客に最適なキャパシタソリューションを提供するという相乗効果を図っていくとしている。