NECエレクトロニクスは6月23日、白物家電やFA機器のインバータ制御、ならびに太陽光発電システムなどのパワーコンディショナ向けとして、インバータ制御機能を内蔵した32ビットフラッシュマイコン(オールフラッシュ・マイコン)15品種を製品化したことを発表した。

インバータ制御向け32ビットマイコン「V850E/IG4」(左)と「V850E/IH4-H」(右)のパッケージ写真

15品種の内訳は、外部接続端子が100ピンの「V850E/IG4」6品種、同128ピンの「V850E/IH4」3品種、USB機能を内蔵した同100ピンの「V850E/IG4-H」3品種、同128ピンの「V850E/IH4-H」3品種となっており、いずれも即日サンプル出荷を開始している。サンプル価格は480KBのフラッシュメモリ、24KBのRAMを搭載したV850E/IH4が1,200円となっている。量産は2009年末より開始、2011年度には15品種合計で年間300万個を計画している。

同シリーズは、CPUの動作周波数を従来製品比約1.5倍の100MHzに向上。これにより、細かなインバータ制御が可能となった。また、リアルタイムOS(RTOS)を使用したインバータ制御が可能となり、ソフトウェアの分散開発による製品開発工数の短縮化にも貢献できるようになった。

さらに、最大480KBのフラッシュメモリにより、FA機器など大容量プログラムを使用するシステムにも応用が可能となったほか、USBファンクション・コントローラを内蔵した製品では、FA機器などでの他システムとの接続容易化が可能になるという。

加えて、A/Dコンバータのチャネル数を計20本、オペアンプ6個、コンパレータ12個を搭載。従来製品である「V850E/Ix3」シリーズの資産を継承しつつ、アナログ機能を充実させたことで、最終製品の部品点数の削減が可能となった。