NXP Semiconductorsは、ARM9ベースのローコストMCUである「LPC31xxシリーズ」に「LPC314x」と「LPC315x」の2品種を追加したことを発表した。
従来のLPC31xxファミリはUSB 2.0 OTG(On-The-Go)を統合しており、コンシューマや産業/医療/通信/自動車などのマーケットに向けて高性能・低消費電力・省スペース・低コストを特長としたMCUで、特にLPC313xはARM926EJプロセッサコアをベースとしているが、LPC314xはこれに加えてAESのDecryption EngineやセキュアなOTP(One-Time Programmable)メモリを搭載した。270MHzで動作するLPC314xは、従来のLPC313xと比較して50%高速となっている。一方、LPC315xは180MHzで動作するが、Stereo Audio CODECやPSU(Power Supply Unit)、バッテリチャージャなどの回路を追加したものとなっている。
LPC314xは「LPC3141」と「LPC3143」がラインナップされる。LPC3141はセキュアなOTPにユニークIDを記憶することで、セキュアキーやUSBのプロダクトIDなどの用途に利用できる。LPC3143はこれに加えて128bitのAES Decrption Engineが追加される。どちらの製品も暗号化したNAND Flash、SPI Flash、SD/MMC、eMMC/eSD、Managed NANDなどからのブートをサポートしている。
90nmプロセスで製造され、270MHz駆動のARM926EJコアに16KBの命令/データキャッシュと192KBのオンチップSRAMを搭載する。また8/16bit外部バスにSRAMや様々なメモリカード(SDHC、MMC/SDIO、CE-ATAなどにも対応)を接続できるほか、SPI/SSI、I2C、I2S、UARTといったシリアルインタフェースとPWM/PCMインタフェース、10bit A/Dコンバータ、汎用タイマ、複数のGPIOを装備し、LCDインタフェースも内蔵する。
LPC315xは「LPC3152」と「LPC3154」がラインナップされる。LPC3152にはLPC3141の機能に加え、クラスABのヘッドフォン用アンプを含むステレオオーディオCodec、PSU(Power Supply Unit)、Li-Ionバッテリチャージャが統合され、性能やコストを犠牲にすることなく省電力性を高めることに成功した。PSUの統合により、LPC3152は内蔵バッテリの他、USBポート経由の電源でも動作する。またバッテリチャージャはACないしUSB接続でLi-Ionバッテリへの充電が可能で、電圧やチャージ電流、バッテリ温度の監視も行える。
LPC3154は、LPC3152に28bitのAES Decrption Engineが追加されたものである。