広島大学大学院理学研究科の寺田健太郎准教授が、1949年にモンゴルに落下した普通隕石の中に含まれていた花コウ岩の形成年代が、約45億3,000年前であることを突き止めたことを発表した。

花コウ岩は、地球の大陸地殻を形成する岩石の1つで、古くから城の石垣や墓石にも使用されている代表的な岩石。ただし、これまで、火星や金星、小惑星といった乾燥した地球型惑星では発見されてこなかったことから、「水」を持つ地球独自の岩石であるとの見かたが定説となっていた。また、年代学的にも、約40億年程度前のカナダのアカスタ片麻岩が最古のものとされていた。

今回の寺田准教授の発見は、同大学の局所年代分析装置「SHRIMP」を用いて行われた。この結果、これまでの鉱物の最古とされていた西オーストラリアのナリアー堆積岩中のジルコンの約43億円前を上回る約45億年3,000年前であることを突き止めた。

この結果は、太陽系形成初期に存在した微惑星上で、花コウ岩を形成するメカニズムが存在したことを示す直接的な証拠であり、同大では、従来の「地球型惑星の進化モデル」に極めて大きな影響を促す重要な知見となるとしている。