STMicroelectronicsの日本法人であるSTマイクロエレクトロニクスは6月18日、同社の8ビットおよび32ビットマイコン向けの低消費電力テクノロジープラットフォーム「STM8L/32L」を発表した。すでにSTM8Lファミリの主要顧客向けサンプル出荷が開始されており、2ファミリともに2009年下旬からの本格的な販売を予定している。

同プラットフォームは、130nmプロセス技術をベースに、ロジック機能向けにリーク電流が少ないトランジスタ、アナログ機能向けに低電圧トランジスタ、低電力組み込みメモリ、新開発の低電圧/低電力の標準ペリフェラル、およびパワーマネジメント・アーキテクチャの採用などの最適化が図られている。これらの機能強化により、動作時および静止時の消費電力の低減を実現できるという。

STM8Lは、同社の「STM8S」ファミリ(8ビット)の、STM32Lは同「STM32F」ファミリ(32ビット)の低消費電力版で、フラッシュメモリからの動作時で150μA/MHzの動的消費電力を達成、HALTモードの消費電力はSRAMの内容とレジスタを維持した状態で300nAとなっている。

リーク電流低減の最適化が図られた130nmプロセス採用のトランジスタにより動作時ならびに省電力モードの両方でのマイコンの消費電力の低減が可能になるほか、組み込み不揮発性メモリにより、データ処理のためのエネルギーを低減、また、アナログ・トランジスタは最大1.65Vまで機能し、チップ上のアナログ回路の低電圧動作を可能にしている。パワーマネジメント・アーキテクチャも、コアの低電圧動作や低消費電力状態から、4μsの高速ウェークアップなどの技術を搭載しており、すべてのモードにおける電力節減を可能とする。

さらに、専用のデジタル・ライブラリと新規開発の低消費電力SoC設計フローにより、最終製品の市場投入期間の短縮が可能になるという。

なお、2ファミリはともに既存ファミリとペリフェラルの互換性があるため、設計における柔軟性とソフトウェアの再利用が可能なほか、ピン互換性を持たせてあることから、設計者はそれぞれの機器の設計に対しピン数およびペリフェラルを自由に最適化することが可能となっている。