公開後のBingは順調にシェアを獲得。新たな検索エンジンとして定着できるだろうか

6月3日に正式サービスの開始されたMicrosoftの検索エンジン「Bing」だが、その後も少しずつ順調に勢力を拡大しているようだ。調査会社の米comScoreが6月17日(現地時間)に発表した最新データによれば、サービスが前倒し公開された5月最終週から2週間後の6月8-12日の週の集計で3%シェアが上昇している。前週比でも1%弱の上昇となっており、少しずつ認知されている様子がうかがえる。

comScoreの発表したデータは下記の表になる。ここでは「Searcher Penetration (検索サービス利用者への浸透率)」「Share of Search Result Pages (検索結果ページでのシェア)」の2つの視点から集計が行われている。米comScoreシニアバイスプレジデントのMike Hurt氏は「Microsoft Bingは2週連続で市場からの関心を増やしつつある。これはサービス開始初期の段階において、Bingが市場から良好な反応を得続けていることを反映したものだろう」と分析している。

■Bingの週間シェア推移

5/25-5/29 6/1-6/5 6/8-6/12
Searcher Penetration (デイリー平均) 13.7% 15.8% 16.7%
Share of Search Result Pages 9.1% 11.3% 12.1%

また同日comScoreが発表した別のデータによれば、2009年5月時点での検索エンジンの全シェアはGoogleが65%でトップ、Yahoo!が20.1%で2位、それにMicrosoftが8%と続く。Googleが0.8ポイント増と前月比でシェアを伸ばす一方で、Yahoo!とMicrosoftはそれぞれ-0.3と-0.2ポイントでシェアを減らしており、わずかに引き離されている。だが、この集計でのMicrosoftのデータにはBingは含まれておらず、前出のようなシェア躍進は反映されていない状況だという。もしBingの勢いが本物なのであれば、6月あるいは7月以降のデータが非常に楽しみなものとなる。

■サイト別シェア集計

サイト区分 09年4月 09年5月 差分
Google Sites 64.2% 65.0% 0.8
Yahoo! Sites 20.4% 20.1% ▼0.3
Microsoft Sites 8.2% 8.0% ▼0.2
Ask Network 3.8% 3.9% 0.1
AOL 3.4% 3.1% ▼0.3

このBingについて、Google共同創設者の1人であるSergey Brin氏が関心を示しているという話がある。米New York Postが6月14日(現地時間)に同社サイトに掲載した記事によれば、内部関係者からのコメントとして「過去10年に新しい検索エンジンが登場しては消えていったが、Bingはその中でも特にSergeyの目にとまったようだ」という意見を紹介している。ここ最近ではSergey氏のような設立メンバーらがこうした関心を示すことは珍しいようで、Bingの新しいアプローチにライバルらも興味を持ちつつ、今後のシェア争いに思索を巡らせているのではないだろうか。