マイクロソフトは、SIパートナー企業向けの新たな有料の支援サービス「Services Ready(サービスレディ)」を、7月1日より提供すると発表した。
マイクロソフトではこれまで7年間にわたり、特定の企業に向け、同社が考える最も効果的な導入方法などを、コンサルティングシナリオという形で提供する「コンサルティングエクスプレス」というサービスを展開してきた。Services Readyはこのサービスを発展させたもので、これまでマイクロソフト コンサルティング サービス (MCS)によって蓄積された経験やノウハウを成功体験をベースに体系的にまとめたものだ。
サービスのベースの部分は日本法人が作り、米国本社でブラッシュアップされた後、世界共通のプログラムとして展開する。
Services Readyプログラムでは、ソリューションごとにサービス実施手順、プロジェクトタスクとスケジュール、ヒアリング項目一覧、設計・展開ガイド、標準的アーキテクチャ図面、設計書、運用手順書テンプレートといったものが、「サービス オファリング(知的財産)」というドキュメントにまとめられており、ユーザーは自分が展開したいサービス オファリングを選択して購入する。
これによりSIパートナーは、技術者育成と早期市場参入、新規サービス展開のための準備費用削減、といったメリットを享受できる。
また、ユーザーはサービス オファリングのドキュメントを複製・改変し、顧客に成果物として提供することも可能だ。
提供される予定のサービスオファリング
Windows Server2008 Hyper-VとSystem Center Virtual Machine Manager 2008を組み合わせたサーバー仮想化 |
Windows Vista と 2007 Office System によるデスクトップ最適化 |
Active Directory と Rights Management System によるエンタープライズ データ セキュリティ |
System Center Configuration Manager 2007 によるエンタープライズ構成管理 |
Exchange Server 2007 のアーキテクチャと設計 |
Office Communications Server 2007 によるユニファイドコミュニケーションの導入 |
Office SharePoint Server 2007 によるポータル、コラボレーション、検索の導入 |
ロータス ノーツからの移行計画 |
Windows 7 と Office によるデスクトップ最適化 |
App-V、Med-VおよびVDI によるクライアント仮想化 |
Windows 7 と Windows Server 2008 によるセキュアWebとリモートアクセス |
System Center Operations Manager 2007 によるエンタープライズサービス監視 |
SharePoint Server 2007 と SQL Server 2008 によるビジネスインテリジェンスの導入 |
Exchange Server 2010 のアーキテクチャと設計 |
SharePoint Server 2010 のアーキテクチャと設計 |
SQL Server 2008 によるDWHとOLAPの構築 |
SQL Server 2008 へのアップグレードと移行 |
Visual Studio Team Foundation Server による開発プロセスの最適化 |
Customer Care Framework 2009 による次世代セールス&カスタマーケア |
そのほか、2-3日間程度のトレーニングもあわせて実施し、その会社の中核となるSEやエンジニアを育成していく。
マイクロソフトはこのサービスで、ユーザーに提供すべき具体的なソリューションをひな形という形で示すことにより、コンサルティングやプリセールスといった、システム構築の上流部分を担うSIerを増やし、500-数千名といった中規模企業に対するServer製品の拡販につなげたい考えだ。
執行役 エンタープライズ サービス単担当の鳴坂仁志氏は「これまで、パートナーの視点に立てば、マイクロソフトのどのプロダクトをどういう順序で組み上げていけば、お客様にとって最適なソリューションになるのかが見えにくかった。このサービスが、この問題を解決するための具体的な方法だ」と述べた。
また、執行役 パートナービジネス営業統括本部長の高橋慎介氏は「これをパートナーのリクルート活動にも役立てていきたい」と語り、パートナー企業拡大のツールとしても活用していく予定だという。
価格は、380万円(税抜)からとなっている。