日本ヒューレット・パッカードは6月16日、HP ProLiantサーバの新ラインアップ「HP ProLiant SL6000 Scalable System」シリーズ(以下、ProLiant SL6000)、およびHP ProLiant DLシリーズの新モデル「HP ProLiant DL1000 マルチノード サーバ」(以下、ProLiant DL1000)を発表した。HP ProLiantの新シリーズ発表は、ブレード型のBLシリーズを発表した2002年以来、7年ぶり。タワー型のMLシリーズ、ラックマウント型のDLシリーズに続き、4シリーズ目となる。
ProLiant SL6000は、HPが「エクストリームスケールアウトサーバ」と呼ぶ新シリーズ。スケールアウトによるシステム拡張を進める環境に共通の課題である「集約度」「電力効率」「柔軟性」の解決に重点を置き、サーバ1000台以上で稼働する大規模システム環境の要件を満たせるよう全面的に設計し直されている。
ProLiant SL6000では、2Uサイズのシャーシに2つの1Uサーバトレイを上下に搭載する構造を採用。サーバトレイは、1トレイに2ノードが搭載されたサーバ密度重視の「HP ProLiant SL2x170z G6」、6台の3.5インチHDDを搭載可能なストーレジ容量重視の「同 SL170z G6」、18のDIMMと2つのPCIeスロットを搭載可能なメモリ、I/O重視の「同 SL160z G6」の3種類が提供されている。いずれも、サーバトレイ上部にふたがなく、シャーシから出すと内部がむき出しの状態になる「スキンレス」と呼ばれる構造を採用し、軽量化が図られている。
そのほか、前面I/Oケーブリング設計で、運用/管理作業において触れる機会の少ないファンや電源ユニットを後面に搭載したうえ、業界標準ラックサイズに対応、冷却ファンを最大4つ搭載可能、ホットプラグ対応高効率RPSを最大2つ搭載可能、といった特徴も備える。
HPでは、一般的な1Uラックサーバに比べて、消費電力28%、重量31%、初期導入コスト10%の削減が見込めるうえ、集積度も2倍にまで高められる(HP ProLiant SL2x170z G6を利用した場合)といった点を強調した。
最小構成価格は以下のとおり(いずれも1シャーシにサーバトレイを2つ搭載したときのもの)。8月上旬の出荷を予定している。
製品名 | 最小構成価格 |
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HP ProLiant SL2x170z G6 | 54万9150円 |
HP ProLiant SL170z G6 | 30万7650円 |
HP ProLiant SL160z G6 | 30万7650円 |
一方、ProLiant DL1000は、HP ProLiant DLシリーズで初の1Uに複数のノードを搭載できるサーバ。2Uシャーシに最大4ノードを内蔵でき、従来の2倍の高密度化を実現。CPUにXeon X5570を採用したほか、正面に設置するディスク装置も、3.5インチSAS/SATAディスクを最大8台搭載可能なモデルと、2.5SAS/SATAディスクを最大16台搭載可能なモデルの2種類が用意されている。
HPでは数十~数百ノードで運用する中規模システム向けに提供していく方針で、ハイパフォーマンスコンピューティングを運用する環境やサービスプロバイダーなどに対して薦めていくという。
最小構成価格は、以下のとおり。7月下旬の出荷を予定している。
最小構成製品名 | 価格 |
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HP ProLiant DL4x170h G6(2Uに4ノードを搭載するサーバ密度重視構成) | 66万3600円 |
HP ProLiant DL2x170h G6(2Uに2ノード、I/O拡張重視構成) | 38万100円 |
HP ProLiant DL170h G6 | 31万5000円 |