フィードパスは6月16日、「シンプル、スリム、スマート」をコンセプトとしたSaaS型のグループカレンダーサービス「feedpath Calendar(β版)」の提供を開始した。10名まで利用が可能で、無償でグループカレンダー機能を活用することができる。動作環境として挙がっている対応ブラウザはWindowsではInternet Explorer(IE) 6/7/8およびFirefox 3.x、Mac OSではSafari 3.xおよびFirefox 3.xとしている。このほか、WindowsではGoogle Chromeの動作は確認済みのほか、CSS 2.0を読めるブラウザであれば動作可能としている。

フィードパス代表取締役社長

同社の代表取締役社長CEOの津幡靖久氏は、「これまでフィードパスは他社製品をSaaS化したものを提供してきた。確かに、これらの製品である程度のシェアは獲得できると考えているが、それらの製品の死角となる市場に対して、自社製品を提供することで、カスタマにより快適なビジネス環境を提供する」ことを考えたと語る。

今回の"feedpath Calendar"はグループウェアに必ずといって良いほど搭載されているカレンダー機能のみを取り出したツール。現在はβ版で2009年第4四半期初頭頃には有償版の提供も予定しているという。有償版になると、何が変わるかというと、「まだ具体的には決めていないが、使用人数の制限もしくは機能の拡張で差をつけることを考えている」(同)とする。また、価格はβ版の動向を見極めて算出するという。

フィードパスのSaaS事業の変遷

「feedpath Calendar」はグループカレンダー機能に特化したサービス

世の中に多くのグループウェアが提供され、新規参入の余地があるのかという疑問があるが、津幡氏は、「インターネット白書 2008の調べでは、2008年のグループウェアの導入率は国内41.1%、2007年は同40.4%であり、ほぼ伸び悩み状態。カレンダー機能単体をみても、共有状況になっているのは部署内43.1%、事業所内38.6%、会社全体34.5%(いずれも2008年)となっており、いずれもまだまだ浸透する余地はあるとする」。

特に、多くのグループウェアや既存の個人用カレンダーサービスが、「機能の多い(リッチ)少ない(スリム)、情報共有しやすいか(シェア/グループ)、しにくいか(パーソナル)に分けると、個人向けカレンダーサービスはスリムかつパーソナル、グループウェアはリッチかつグループという分野に属しており、我々の狙うスリムかつグループというカテゴリとは異なる」(同)とその違いを指摘する。

「feedpath Calendar」のポジション

フィードパス内におけるポジション

カレンダー市場におけるポジション

そのため、既存のカレンダーサービスからユーザーを奪いとるという考えではなく、「APIの提供なども予定しており、個人としてはこれまでのカレンダーサービス。そして部署内などではfeedpath Calendarを活用してもらうような使い方をイメージしている」とする。

コンセプトの"シンプル・スリム・スマート"であるが、実際の画面にその成果が反映されている。機能はできる限り絞り、管理系の主要機能は"ユーザー""グループ""設備""管理者ユーザー""祝日の管理"の5つに集約したほか、メニュー数も一瞬で認識できる数(3つ)に集約し直感的な操作を実現した。

ユーザー画面の特長

また、メイン画面のカレンダーにはバーチカルタイプを採用。今日から1週間の予定を表示する形としたほか、グループ週表示では、重複した予定に×を表示するなど、見やすさを重視。これらの切り替えなどについては不要な画面要素を省くことで、1クリックで実現できるようにした。

ログイン画面(左)と個人週表示(中央)とグループ週表示(右)

管理者メニューもシンプルな構成になっているほか(左)、設備や施設は面倒な追加ユーザー登録などなしにそのまま登録することが可能(中央)、デザインテンプレートは10種類用意されている(右)

さらに、有償SaaSサービスと同レベルとなるSSL(128ビット)による保護のほか、メールサポート窓口による対応、毎日のバックアップの実施などのサービスが提供される。

今後は、2009年夏ごろをめどにNTTドコモ、au、ソフトバンクモバイルのほかiPhoneやAndroidへの対応を実施するほか、APIの公開も実施予定。先述もしているが、第4四半期の早い段階で有償版の提供を予定しており、2009年末までに合計3万ユーザーの獲得を目指すとしている。なお、β版に関しては1カ月に1回程度の割合でマイナーバージョンアップが行われていく予定としている。