日本国内で約40%の市場シェア

2002年にサンフランシスコで誕生したリバーベッド。同社は設立からまだ8年という若い会社だが、すでに世界で5,500社以上の導入実績を持ち、世界のWAN高速化市場で47%(※1)もの出荷金額シェアを持つようになっている。また日本では2005年12月からビジネス展開を行っているが、国内のWAN高速化市場でも2008年度の出荷金額ベースで40%近くのシェアを占めるなど(※2)、同社は急速な成長を遂げている。

※1 複数の調査機関からの集計(平均)値を同社がまとめたもの。
※2 ITR「ITR Market View:ネットワーク・アプライアンス市場2009」による。ソフトウェアをOEM供給しているNECも含めた場合の値。

同社の製品は業種に偏りなく導入されているが、図面作成ツール「AutoCAD」のデータ配信の高速化にも対応するなど、「製造業に対するアドバンテージは大きい」とのことだ。また、同社の技術基盤を支えるソフトウェア(RiOS)はNECにもOEMで供給されるなど、製品の信頼性を裏付ける形となっている。

ストリーミングと仮想化技術に強み

同社の製品の特徴はストリーミング技術にある。これは同社が「ユニバーサルデータストア」と呼ぶ独自のキャッシュ技術をベースとしたもので、「キャッシュを1つの"箱"として扱うことでパーティショニングによる非効率を解消し、キャッシュのヒット率を向上させるもの」だという。

これによってCPUへの負荷を大幅に軽減し、結果として「送るデータ」の削減を実現しているとのことだ。「10拠点以上になるとメリットが顕在化する」と同社が語るように、ネットワークの規模が大きくなればなるほど技術面でのアドバンテージが生まれるのが同社製品の特徴でもある。

同社は現在、サーバの仮想化技術であるVMWareを統合し、「RSP(Riverbed Services Platform)」という企業の拠点統合をサポートするソリューションを展開している。「最近のトレンドは"統合"であり、コスト削減効果が年間で数十万円程度だとしても、製品のリプレースを検討する企業が増えてきている」とのことだが、リソースの集約においてカギとなる仮想化技術への積極的なアプローチも同社の大きな特徴と言えるだろう。

リバーベッドテクノロジー株式会社テクニカルコンサルタント 寺前滋人氏(左)、マーケティングマネージャー 伊藤信氏(右)

製品ラインナップ

Steelhead モバイル/250/550/1050/2050/5050/6050

『出典:システム開発ジャーナル Vol.10(2009年6月発刊)
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