ハードウェアを変えずに性能を向上
通常はローエンドからハイエンドまで数種類の製品が用意されるわけだが、シスコの製品は「アプライアンス型」と「専用シャーシ組込み型」という利用形態に応じた2種類のみ。初期状態ではそれぞれ0.5Gbps/4Gbpsという性能だが、ライセンス形態によって最高4Gbps/16Gbpsを出せるハイスペックの製品として稼働する。
この方式のメリットは、申請だけでシステムの性能を上げられるという点だ。製品の配送を待つ必要がないうえ、リプレースに伴う設定作業も不要になる。もちろん有効性能に応じた価格体系になっているため、初期投資が膨れる心配もない。
こうしたビジネスモデルは、製品の基本性能が高いからこそ実現できるものである。ポテンシャルが低ければ、当然、制限をかける余裕も生まれない。第三者機関による調査では、様々なテストで他社製品よりも高いスコアを記録しているという。
定評のあるサポート体制に強み
また、優れた仮想化機能を備えている点も同社製品の大きなポイントの1つである。アプライアンス型で最大20の仮想デバイス、専用シャーシ組込み型で最大250の仮想デバイスを生成可能だ。
それぞれの仮想デバイスには個別にリソース(スループット、コネクション数、メモリなど)を割り当てて独立動作させられるので、「ある仮想デバイスの負荷が、他の仮想デバイスに影響を及ぼすことはない」という。こちらもライセンスに応じて上限を変更できるモデルになっているため、初期投資を抑えることができる。
もう1つの大きな利点が"シスコの製品である"ということだ。同社は「Data Center 3.0」などの大きな戦略の下、多岐にわたる製品を提供しており、すべてのネットワークインフラをシスコ製品で揃えることもできる。
同社によると「シスコはサポートがしっかりしている」との声が多いとのことだが、これによってサポート窓口を1つにできるうえ、管理の煩雑さも軽減できる。同社は主要アプリケーションベンダーと協調した製品開発や共同検証を積極的に進めている。
製品ラインナップ
Cisco ACE(Application Control Engine)
Cisco ACEモジュール/Cisco ACE 4710アプライアンス
『出典:システム開発ジャーナル Vol.10(2009年6月発刊)』
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