アイ・ティ・アールは6月11日、国内の運用管理市場の市場規模および動向を調査し、「ITR Market View:運用管理市場2009」としてまとめた。同社によると、2008年度の運用管理市場の国内出荷金額は約1,091億円、前年比5.9%増と比較的緩やかな伸びにとどまったという。
製品分野別に見ると、成長率のバラつきが見られる。これまで市場を牽引してきたネットワーク管理、サーバ管理、ジョブ管理、DBMS管理、ストレージ管理、バックアップ・リカバリ分野は、高いシェアを占めているが、導入が一巡し、景気後退によるIT投資が減速していることを受け、出荷金額の伸びは鈍化の傾向にある。
一方、比較的新しい分野である仮想化や自動化、サービスデスク・インシデント管理、エンドユーザー体験管理、IT資産管理は、市場規模は小さいが、2007年度から2009年度にかけて二ケタ成長を続けている。なかでも、自動化と仮想化製品市場の2008年度の出荷金額は、順に前年比52.2%増、46.3%増と大きく伸びており、さらに需要も高まっていることから今後も高い伸びが予測される。