米Freescale Semiconductorの日本法人であるフリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは、HDDのシステム設計を簡略化して記録密度の増加するデジタル出力圧力センサ「MPL115A」を発表した。

同製品はMEMS技術をベースにしており、HDD、気圧計、および高度計の用途で気圧を検出するだけではなく、卓上型の気象観測装置や真空装置などの産業設備で絶対圧力を計測することが可能だとしており、医療アプリケーションでは、健康管理、創傷管理、および呼吸システムなどに対応する。

I2C、およびSPIよる通信に対応しており、マイクロコントローラに直接接続すれば通信を容易に処理することが可能。同アーキテクチャは他のほとんどの圧力センサと異なり、通信にアナログ信号を使用せず、システム内にA/Dコンバータ(ADC)を内蔵するマイコンや専用のADCコンポーネントを必要としない。

パッケージは3mm×5mm×1.2mmのLGAを採用。バッテリや太陽電池を電源とするアプリケーションでは、スリープ・モードで1μA、アクティブ・モードで5μAの消費電流を実現する。また、デジタルセンサは、圧力の計測値に基づいてピックアップ・ヘッドの最適な位置を決定するHDDシステムでも、ディスク容量の最大化に有効となるという。

同システムは、ロープロファイル・パッケージに納められた圧力センサとコンディショニングICで構成される。コンディショニングICは、ADC機能付きの温度センサ、係数値を格納するメモリ(ROM)、およびI2C/SPIの簡略スレーブ・インタフェースを内蔵している。

同製品は、すでにサンプル出荷を開始しており、SPIインタフェース対応「MPL115A1T1」、およびI2Cインタフェース対応「MPL115A2T1」はいずれも1万個購入時で参考価格4.25ドルとなっている。また、SPIインタフェース用の評価ボード「KITMPL115A1」、およびI2Cインタフェース用の評価ボード「KITMPL115A2」に搭載されたカタチでも供給され、これらの評価キットの参考価格はいずれも15ドルとなっている。